働き方改革で管理職が留意すべきことを改めて整理してみる

    現代の働き方改革において、管理職の役割は極めて重要になります。労働時間の適正化や職員の健康と幸福の促進は、組織内の生産性と持続可能な学校運営に密接にかかわるものです。
　以下に、管理職が留意すべきポイントを改めて整理してみました。

1. 健康への影響への理解と対応 長時間労働が健康に与える影響は避けて通れません。週55時間以上労働することで脳卒中リスクが35%、虚血性心疾患リスクが17%も高くなるというデータが示されています。このようなデータを踏まえ、部下の健康と安全を最優先に考え、適切な労働時間の確保や休息の提供に努めることが求められます。

2. タイムマネジメントとサポートの提供 タイムマネジメントは組織内の円滑な運営に不可欠です。他者の時間を尊重し、効率的な仕事の整理を行うことで、ストレスの軽減と生産性の向上が期待できます。リーダーは、職員に対して適切なサポートや休暇の提案を行うことで、負荷を軽減し、持続可能な働き方を実現するお手伝いをすることが大切と考えます。

3. コロナ禍への適応とメンタルヘルスの配慮 コロナ禍においても教育機関は大きな変革を余儀なくされました。学校管理職は、教員のメンタルヘルスが比較的良好である一方で、他の職員は学校管理職よりストレス耐性が低いというデータもあります。部下とのコミュニケーションを通じて、彼らの状態を理解し、柔軟に支援策を提供することが重要となります。

4. 若手教員へのサポート強化 若手教員への精神的なサポートは、長期的なキャリア発展に影響を与えます。労働時間の増加や心理的負担を軽減するために、適切なガイダンスや心理的なケア、組織内での空気づくりや時間管理の推進が欠かせません。若手教員のニーズに合わせたプログラムやサポート体制の整備が求められます。

5. 巻き込まれ型残業の防止 効率的な働き方を実現するためには、巻き込まれ型残業を防ぐ取組が必要です。適切なタスクの割り振りや優先順位の明確化、チームメンバーのスキルを最大限に活かす仕組みの構築が必要になります。これによって、生産性向上とメンバーの満足度の両立を図ることができます。

　管理職として、組織内の労働環境や職員の幸福度を向上させるのは、
一朝一夕にできるものではありませんが、適切な対応策を講じることで、健康的で持続可能な働き方を推進できるはずです。
　リーダーとしての認識を深め、具体的な措置を講じることで、組織全体の成果を高める一助となると思います。