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その定時退庁に「納得感」と「満足感」はあるか?

 定時退庁すること

 分かりやすい行動目標です。
 
 定時までとタイムリミットが決まっているので、仕事を効果的・効率的に進めようという意識が出てきます。

 限られた時間で最大のパフォーマンスを出すには、与えられた仕事を前例通り、やみくもにこなすだけではなく、「この仕事は、誰のどんな問題を解決するためのものか」ということを考えながら、やるべきこと、やらなくてもよいことや、やりたいことを整理する必要があると考えます。

 例えば『学力調査の結果の共有と改善策の検討』という目的の会議資料を作成するのであれば、
「多くの資料で説明するより、結果が一目で分かるようにワンペーパーで整理した方がいいかな。それであれば教育委員会の資料が使える。その資料を少し編集しよう。」

 「優先順位の高い課題には、印をつけおこう。昨年度の担当者は立派なプレゼンで説明していたけど、ワンペーパーの資料を活用し、私が補足を加えれば、説明としては十分。」

 「具体的な改善策を考えることがメインなので『誰が、いつ、何を、どのように行うか』『振り返りはどうするか』が分かるような項目のあるワークシートを1枚作成しよう。ワークシートは、会議後、提出しなくていいように、エクセルで共同編集できるようにしておこう。」

 「よし。60分を目標に資料作成しよう。」
などと、目的が達成を念頭において、仕事の効率化を図っていくことが大切になります。

 「その仕事は、誰のどんな問題を解決するためものか」という視点をもち、目的達成のために、的を射た準備をするという考え方は、授業を含め、他の業務においても汎用できるものです。

 私自身、今まで作成した資料を振り返って見ると、その仕事の目的達成につながっていなかったり、あってもなくてもよかったりした資料もたくさん作ってきたように思います。
 「あってもなくてもよい資料」は作成しなくても、さほど影響はありません。思い切ってリストラすることが必要です。

 このように仕事を効果的・効率的に行うことを考え、実践を積み重ねていった結果、自然と定時退庁はできてくるものです。そこには満足感や達成感もあると考えます。

 「積み重ねた結果」ですので、ある程度の時間はかかります。そのためにもちろん残業をすることもあります。目標達成に向けて効率化を図ることを考えるプロセスは、はじめは特に時間がかかるものです。

 しかし、最近では、定時退庁自体が目的になっている若手教員の話もよく耳にするようになりました。
 おそらく「定時退庁を目指すこと自体が大切」ということが前面に押し出されている風潮も一つの要因と言えるでしょう。

 「目的達成のため、効果的・効率的に限られた時間で仕事をどのように行うか」ということを考えることなく、定時になったら帰るということを若手の頃から継続していると、それが習慣になってしまいます。

 そうなると、中堅・ベテラン教員になっても、仕事を効果的・効率的に進めることができず、若い頃と同じ悩みを持ち続けることになります。
 定時には帰るけど、仕事に対して満足感や納得感を得ることができないかもしれません。

 私は、職場での居場所や、精神的な余裕を得るためにも、満足感や納得感のある定時退庁が大切と考えています。
 
 そのためには、若手の頃の「定時退庁」に対する考え方や、仕事の仕方等が非常に重要になってきます。

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