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パイロットの飛行訓練② レッスンの流れ

どうも、こんにちは。
除湿か冷房が手放せない季節になってきましたね。今年の梅雨は梅雨らしく、どんよりジメジメな日が続いていますが、カラッと晴れる夏を楽しみに、今は雨の音に耳を澄ませる毎日です。

さて今回も、先日公開した①に引き続いて大学時代にアメリカで受けていたパイロットの訓練について少しずつ紹介出来ればと思います。今回は毎回のレッスンでの大まかな流れを紹介します。

準備

レッスンはまず、訓練生のフライトに対する準備から入ります。「フライトは準備が8割」と言われるように、この準備の段階でレッスンの良し悪しが8割決まります。抜けや漏れなく、あらゆる可能性を考慮しながら上空で理想的なフライトをするための準備です。

確認・勉強する事項は多岐に渡り、フライトする時間帯の気象状態の確認や使う空港の注意点の整理、行う科目(基礎訓練では緊急事態の対処や機動等)のやり方や注意点を確認し、関連する飛行機のシステム等を復習します。
その上で、イメージフライトを行います。要するにイメージトレーニングのことですが、紙に印刷されたコックピットを前に、一つ一つ実際のフライトと同じように声を出しながら目の動かし方や手の移動のさせ方、スイッチ類を触る順番等を模擬していきます。
それが出来ると、教官に質問されそうなことを予想してその答えを考え、不安がなくなったら準備は終了です。その回のフライトの重さにもよりますが、2〜3時間で終われば準備に丸一日かかることも珍しくありません。実際に飛ぶ時間の何倍もの時間をかけて準備をします。

プリブリーフィング

フライトの日がやってきたら、所定の場所で教官と合流します。そこで、まずその日のフライトのプリブリーフィング(事前打ち合わせ)を行います。
気象条件が飛行に適しているかの確認から始まり(天気が悪く飛行は不可能と判断してそこでレッスンがキャンセルになる場合もあります)、その日の科目でキーとなるポイントや関連する規定、システムの動き等を質問され、それらに答えていきます。ここで、澱みなく答えられないとレッスンが中止になり、勉強して出直して来い、となることも準備不足だとあり得ます。
教官も命懸けでフライトをするのに、訓練生の準備が不十分だと危険かつ得られるものが少なくなってしまうからです。

プリブリーフィングで一通りの打ち合わせが終わったら飛行機に向かいます。

飛行

まずは機体の外部点検から始まり、飛行の準備を進めていきます。準備が整ったらエンジンをかけ、管制機関に連絡して滑走路までの移動許可をもらい、離陸許可をもらって飛び上がります。

飛行機は一度飛び上がってしまうと止まることは出来ないため、常に先のことを考えながら飛行機を操作することが重要になってきます。いくら教官がついている訓練といえど命懸けで飛んでいることには変わりありません。自分と教官を死なせないように、先を先を考えつつ、こなさなければいけない科目を一つ一つ演練していきます。

飛行訓練の具体的な内容についてはまた今度書くことにします。

デブリーフィング

無事空港に帰ってきたら、最後にデブリーフィング(反省会)をやります。その日のフライトで良かった所や悪かった所、次回に向けて準備する点などを確認します。
フライトの出来が悪いと指摘事項が積み重なってデブリが長くなり、よく出来た場合はサラッと追われて嬉しい気持ちになります笑。
各科目が定められたクオリティで出来ていない場合はインコンプリート、レッスンやり直しになる場合もあります。

一通りの反省が終わったら、ログブックに教官のサインをもらってレッスンは終わりです。

復習(次のレッスンの準備)

訓練生にとってのレッスンは家に帰って復習するまでです。出来なかったことの原因を考え、克服するにはどうすればいいかを見出して次のレッスンに繋げます。
同期でのミーティングも大抵毎日あり、その日のフライトで起こったことをみんなに共有して同じ失敗をしないようにしたり、上手くいかなかったことは対応策をみんなで考えたりします。


これが、本当にザックリですが毎回のレッスンの流れです。これを毎日繰り返し、レッスンを進めていくと試験があり、合格したら次の課程に進んでまた同じことを繰り返します。少しはイメージが湧いたでしょうか。

また大学時代の訓練シリーズで色々なことを書いてみたいと思っているので良かったらまた遊びにきてください。

-----------------------------------------------続く

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