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楽しむことが上手くない

夏休みといえばレジャー。

登山に海水浴、キャンプにプールに◯◯ランド…

小学生の子供がいる私達夫婦は
「夏休みにしか経験できないことをやらねば」
という強迫観念に駆られながら過ごしている。

山に登ろうか
(… スズメバチは夏が活発らしいよ?)

海で泳ごうか
(… 離岸流って知ってる?)

キャンプに行こうか
(… 初心者にはハードルが高すぎじゃない?)

プールに行こうか
(…人が多くて子供を見失わない?怪我しない?)

◯◯ランドに行こうか
(… 待ち時間長そう、熱中症は大丈夫?)

旅行に行こうか
(…もうどこも予約で一杯だ、出遅れてるよ?)


「はぁ?なら一生、家で引きこもってろやッ!」

普段からアクティブな人達が聞いたら
ちゃぶ台をひっくり返し
怒鳴りつけたくなるほどの意気地のなさ。

というのも私達夫婦は揃って心配症なのだ。
頭を空っぽにして
レジャーを純粋に楽しむことが苦手なのだ。


数%の確率で起こることが
自分に起きると思ってしまう。

小さなことを気にしない人が
障害とすら思わず
ヒョイと飛び越えてしまうモノに対して
恐怖し最悪のケースを考えてしまう。
事前の調査と対策を確認しないと出発できない。

そしてその調査と対策をするのも億劫なのだ。

自分達もこんな性格にウンザリだ。


お腹の弱い夫は
テレビの中でタレントが旅行して
現地の珍しい料理を食べているのを
見るだけで満足するらしい。

人混みに疲れる私も
営業時間外に撮影したのであろう静かな観光地や
地元の人とタレントの楽しい会話、土地の説明を
テレビで見るだけで満足してしまう。


できることなら子供を
安全安心な箱の中で育てたいくらいだけれど、
それがヒトの健やかな成長でないことは
さすがの私も感覚的にわかるのだ。

子供に体験させなければ。

レジャーって、良いことばかりじゃないんだよ。
現実は暑かったり寒かったり
臭かったり不味かったり
人にぶつかったり踏まれたり舌打ちされたり
物を無くしたり迷子になったり
帰り道で急にとてつもない疲れに襲われたり
結構大変なこともあるんだよ。

大きいと思ってた物が
ビックリするほど小さかったり、
見晴らしのいい展望台に登ったら
霧で何も見えなかったり、
綺麗だと思ってた建物が結構汚れていたり、
家の近所にある建物と大して変わらなかったり。

でも、そんなヤレヤレなエピソードも、
安心安全パーフェクトなレジャーよりも
思い出深いものになることがあるんだよ。

それに実際に体験するって
テレビで何回も見るより
心がドキドキワクワクするよね。
実際に行ってみないと一生わからないことや
知らないことがあるよね。
テレビでは教えてくれないことに出会うよね。


だから私達は
心配や不安で一杯なんだけれど
今年も頑張ってみるよ。

アクティブな人達が移動する距離の
半分にも満たないだろうけど
私達が今できる範囲でベストを尽くすよ。


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