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〇〇、な、小説たち

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#金木犀

フジファブリック「赤黄色の金木犀」

フジファブリック「赤黄色の金木犀」

意識的に、ではなく、気づいたら琉花は、深呼吸をしていた。

―――あ、久しぶり。この香り。このにおい。

琉花の嗅覚とひとつの記憶を呼び起こしたのは、秋の到来を最もわかりやすく伝えてくれる風物詩筆頭にあがるだろう、キンモクセイの香りだった。

琉花は自分の名前に漢字が含まれていることをきっかけに、物心ついた頃から「花」に幾分かこだわりがあり、それは「花の名前は漢字で覚え、漢字で書く」という文学少女

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