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100円のコーラを1000円で売る方法②~ビジネス戦略~

こんにちは、東ローランドゴリラです。
インターン先の課題図書の読書とアウトプットに頭がいってしまい、私自身の勉強が疎かになっていました。。。
週に一度は更新していきたいです!頑張ります!

さて、今回は永井孝尚さんの「100円のコーラを1000円で売る方法②」でございます。
前回の①の続編でございます。
今回はビジネス戦略に焦点を当てて物語の続きが描かれており、背景に「成功体験からの脱却」というテーマを置いています。
高度経済成長のときのような日本全体が「欧米に追いつき、追い越せ」という社会ではなく、日本経済が苦しんでいる中でこそ、刺さるテーマだと思いますし、そういった背景から弱者の戦略が描かれているところも非常に勉強になりました。

宮前久美が次に挑んだのは「日本企業がサムスンに対抗する方法」だった―。彼女は高度成長期の成功体験に囚われた日本企業で「新しい成長ストーリー」を打ち出すことができるか?ポーターからランチェスター、野中郁次郎まで1冊でつかめる。ビジネス戦略がわかる10の物語。第2弾は“競争戦略”編。
                     「BOOKデータベース」より

■みんな大好きコンセンサスの落とし穴

日本人はコンセンサス「共通認識」が好きです。
チームで何かを行うとき、チームのリーダーは一人一人の顔色を伺いながらコンセンサスが取れているか気にしていると思います。(そういえば「嫌われる勇気」でも同じようなことが書いてありました。もはや国民性なのでしょうか。)
著書の中でも社内タスクチームのリーダーとなった宮前は各部署の代表者にコンセンサスを得ようと必死に動きますが、他責の発言ばかりで結局しわ寄せが宮前に回ってきて、具体的なことは何も進まないまま時間だけが過ぎていきました

宮前は愛読しているドラッカーの「マネジメント」の、「組織においてコンセンサスを得ることが重要である」といった内容を鵜呑みにし、実行していたのです。
しかし、「マネジメント」が発売されたのは1973年のこと。現代社会は市場は成熟し、デフレで価格が下がり、経済は低成長で、グローバル化による変化のスピードも上がっています。
何か問題が起こった時に対策に練っていては問題点が変化し、結果として対応することができないのです。
変化の激しい時代に求められるのは、完璧なコンセンサスではなく、意思決定のスピードと柔軟性なのです。

その際に重要になってくるのがどんどん仮説を立てて実行することなのですが、その基本的な考え方がPDCAです。

■仮説こそPDCAの本質

PDCAとは、
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)
のサイクルを繰り返し行うことで、継続的な業務の改善を促す技法のことです。
よく円の図で表現されることが多いのですが、これは螺旋状に描くことで本来の効果を発揮します。

スクリーンショット (3)

このように、PDCAを回していく中で、目標を意識し成長する中でPの起点が上に上がっていきます。円を描くようにグルグルサイクルをひた回すのではなく、回しながら成長していくことで効果を発揮するのがPDCAサイクルなのです。
そのうえで大切なのことが、Pを計画ではなく「仮説」と考えることです。仮説を立てて実行しながら修正してより良いものにしていく。その方が意思決定のスピードも上がりますし、柔軟性が非常に高くなります。

雑談ですが、インターンで働いているとデキル人は論理的思考力が高く、論理的思考力が高いと仮説を立てられる思考を持っていて、そうすると必然的に言語化能力も高くなり、話していても魅力的に感じることが多いです。皆さん口を揃えて「仮説、仮説」というので、日々仮設思考の重要さを実感している大学生東ローランドゴリラであります。

■網羅思考のワナで見えなくなる課題

PDCAを効率よく回すために仮説を立てて高スパンで回していく上で、課題が山積みだと結局いろんなところに着手しなければならず、逆に効率は落ちてしまいます。
その山積みの課題は、解決すべき課題なのでしょうか?
顧客からの要望に全て対応しようとしたり、想定外をなくすためにあらゆる事態を想定しようとする網羅思考に陥ってしまうと、意思決定に時間がかかってしまいます。

その際、解決すべき課題が何かを考えることが重要なのですが、現象と分けて考えるべきです。
例えば、「昨晩、泥棒が侵入した」というトラブルがあったとして、これは課題ではなく現象なので解決しようとしても仕方がありません。ここで、なぜ起きたのかという原因と何が起きたのかという結果に注目します。
原因=防犯体制の不備 とあれば、強化しなければならず
結果=盗品、発見が遅れて報告が遅かった、会社のイメージダウン とあれば、それぞれの対策を打つ必要があります。
この結果が解決すべき課題なのであり、現象と分けて考えることで効果的な対策を打つことができます。

しかしここでもまた網羅思考のワナがあり、現象の結果(課題)は考えれば考えるほど増え続け、キリがなくなってしまいます。その際に網羅的に扱うのではなく、課題に優先順位をつけて最も重要な課題に絞って対策を考え、仮説を立てPDCAを回していくことが大切です。
(※この本では現象の結果を論点と表現しており、この思考を論点思考と表現しています。

思い返すと、学生時代部活動の新人さんは、ルールの知識面や体力、フォームなどの技術、これも細分化するとドリブル、パス、シュートなど、課題点は山積みですよね。その新人さんに初日から課題を全部克服させようとする人はいないと思います。優先順位をつけて、例えばまずは一人で家でもできるトレーニングから教えたり、コミュニケーションも取りながらできるパスの練習から始めたりすると思います。こう考えると、課題に優先順位をつけて取り組むことは無意識のうちに実践してきたことなのかもしれません。

■強者と弱者の戦略

ライバルである業界最大手企業とのビジネスバトルの中で、同質化戦略差別化戦略というものが出てきます。

同質化戦略というのは市場リーダー企業(強者)が、チャレンジャー(弱者)が良いサービスを出してリーダー座を奪おうとしてくるときに、同じ商品を揃え封じ込める戦略です。一見、コピーじゃんって思いますが、同じ商品であれば、強者は差別化ポイントまで取り込むことができるので結果的に成長もしますし、圧倒的に強いです。
ちなみに、日本のハンバーガーチェーントップシェアのマクドナルドも、以前バーガーキングが日本に上陸しようとする際、バーキンの売りであるワッパーというビッグサイズのハンバーガーという差別化を封じ込めるため、ビッグマックを打ち出し同質化したようです。

差別化戦略というのは逆に、弱者が強者に挑む際に差別化を図る戦略です。しかし、多少の差別化なら同質化されてしまうので、強者がどう頑張っても真似できないくらい徹底的に差別化を図らなければなりません
その際、強者が全ての戦線で総力戦であるのに対し、弱者は「選択と集中」をすることがポイントです。先ほどのようにすべて網羅しようと思うのではなく、何をやめて、何に集中するかを決めることで、弱者でも突破口を開くことができます。物事は「何かを取れば、何かを失う」というトレードオフなので、「何をやるか」ではなく「何をやらないか」を決めるために戦略を立てる必要があります。


知識もそうですが、会計ソフトウェア会社で繰り広げられる物語がおもしろすぎて、早く続きが読みたいっ!!笑
続編の③も購入したので、もう少ししたら読んでアウトプットします。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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