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#3 100円のコーラを1000円で売る方法

こんにちは、東ローランドゴリラです。
アウトプット前提で読書をすると一冊ごとにかける時間は大幅にかかりますが、定着しているなぁと感じることが増えてきました。

さて、本日は
永井孝尚さんの「100円のコーラを1000円で売る方法」
を読んでみたのでまとめてみました◎
物語ベースで話が進んでいくので非常に読みやすく、マーケティング初心者にもわかりやすい本でした。ぜひ見ていってください!

新人商品プランナー・宮前久美が挑んだのは、「Appleにできて日本企業にできない壁」だった。彼女は日本が抱える課題―「高品質・多機能。でも低収益」から脱却できるのか?コトラーからブルーオーシャン、キャズム理論まで1冊でつかめる。
                     「BOOK」データベースより

①事業の定義


自分の会社がなんの事業をしているのか、同じような業界でのその事業の志向によって会社の将来性が大きく変わってきます。
同じ業界、例えば化粧品会社の例を取り上げると、
”化粧品の製造販売”と”ライフスタイルと自己実現、そして夢を売ること”と異なる事業の定義をしている2社があるとして、
前者の場合は製品の製造にこだわっているため、イノベーションによって化粧品に代わる美容方法が生まれたときに事業が衰退してしまう可能性があります。
しかし後者の場合、新しい美容方法が事業発展のチャンスになるのです。
前者の志向を製品志向、後者を市場志向と言います。
目の前の仕事に追われることも多々あると思いますが、広い視野で会社がどこに向かっているのかを一番理解する必要があるのは現場の最前線で働いている人なのかもしれませんね。

②顧客満足のメカニズム

顧客はどんな時に満足するのでしょうか?
登場人物の宮前は「要望が完璧に満たされること」と思い込み、全ての要望をカバーした商品を作り、先方へプレゼンしにいきました。
しかし、そのとき先方は要望にも応えていない、コストも高い別の会社の商品を購入したのです。
そのとき先方に説明されたのが「顧客満足の式」です。

顧客満足の式
顧客が感じた価値-事前期待値=顧客満足

宮前のプレゼンは事前期待値は高かった(100)が、要望に応えているだけなので顧客が感じた価値も同等(100)で、結果として顧客満足は0でした。
他者の商品も事前期待値は高かった(100)が、全ての要望に応えることはなく、商品が導入されたのちのことを考え、先方にとって必要なことをパッケージ化したため、顧客が感じた価値は高く(200)、結果として顧客満足は100でした。
要望に確実に応えることは顧客の言いなりになることで、逆に捉えると「言ったことしかしない」ため、顧客にとって将来的な成長はないと感じました。自社の哲学をもってビジネスをすること、ビジョンがどれだけ事業と社員に浸透しているかの大事さが非常に伝わりました。

③マーケットリーダー・チャレンジャー

企画が通らなくて路頭に迷っていた宮前は、価格を大幅に下げて市場シェアを独占しようと考えました。
しかし宮前の会社はシェア率10%、トップシェアの他社は30%と、ビジネス規模が3分の1程度でありました。つまり利益率も3分の1、開発コストは3倍になるのです。
シェアトップである他社はマーケットリーダーであり、業界の中で一番低コストで商品提供が可能できる、つまりコストリーダーシップを握っているのです。一方、宮前の会社はマーケットチャレンジャーなので、価格競争をしかけても他社の方が結局利益が上がってしまうのです。

と、なると、一生他社に勝てないじゃないかと思いますが、そこで価値提供の質の話になっていきます。
どのような価値かというと、以下のバリュープロポジションに則った価値提供です。

バリュープロポジション
”顧客が望んでいて” ”競合他社が提供できない” ”自社が提供できる” 
価値

この視点がないと、先ほどのようにあらゆる要望に対応する羽目になってしまいます。
個人的には、”自社が提供できる”という部分が特に大事なように思えます。多角化経営が増えてきて、逆に会社の強み、提供できる価値もぶれてしまっているのではないかと。

④カスタマー・マイオピアからの脱却

顧客の言いなりになることを”カスタマー・マイオピア”と言い、目の前の要望に応えようと必死で本当に顧客にとって必要なことに対応できず、長期的にみると顧客が離れていってしまうことです。
著者の永井さんはあとがきの題を「カスタマー・マイオピアからの脱却」としているほど、現代社会のビジネス風潮を非常に危惧されているように感じました。


顧客中心主義とは
「顧客が言うことはなんでも引き受ける」
ではなく
「顧客の課題に対して、自社ならではの価値を徹底的に考え、提供する」
ということです。
                           あとがき より


最後に

初めにも書きましたが、非常に読みやすくわかりやすい本でした。小説読むくらいの気分でいけます。笑
シリーズものなのですが、はまりすぎてメルカリで速攻2,3購入しました、届いたら読んでみたいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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