ケルトの鹿とネイティブアメリカンの鹿
動物のオラクルカードの中で、鹿が描かれているものは結構ありそうだなと思い調べてみると、3種類もっている動物カードのすべてに鹿が描かれたものがありました。
今日引いたカードは、『Medicine Card』でネイティブアメリカンの文化的背景を持つカードで、子鹿の純粋性や無条件の愛と関連していますが、『The Druid Animal Oracle』はヨーロッパのケルト文化を背景としているカードで、鹿は立派な角を持った雄鹿として描かれています。
いずれも森の住人として、森の化身のような役割は共通しているものの、雄の鹿は子鹿と違って、プライド、自立、浄化などをあらわしています。ケルト文化では、角が生えている人間の姿で描かれるケルヌンノスという神との関わりがあります。
鹿は秋に繁殖期を迎え、230日程度で出産すると言われています。オスの鹿の角は3月に脱落し、新しく生え変わり、秋に完成するそうです。ちょうど繁殖期にメスを得るための闘いに備えているかのようです。
年に1回角が生え変わるリズムをもつ鹿は、太陽のサイクルと関係があり、太陽神と関連していると考えられているケルトでは11月からは冥界の神・サマインの季節となるが、サマインは太陽の鹿を狩る狩人でもあります。
太陽の力が弱まり、冬至に向かうこの季節に冥界の神・死の神サマインが、太陽を狩るのです。
ケルトの話になってしまいましたが、写真のMedicine Cardに話を戻します。そこには、このような話が書かれています。
聖なる山にグレートスピリットが住んでいて、子鹿はそこに会いに行こうとしました。聖なる山に続く道には悪魔が住んでいて、全ての生き物たちがスピリットとのつながりを感じなくなり、恐れや不安に陥ることを悪魔は望んでいます。聖なる山への道を進む子鹿は悪魔に行く手を阻まれますが、子鹿は全くひるむことなく、穏やかに愛をもって悪魔にしっかりと自分の意志を伝えます。「私はグレートスピリットに会いに行きたいので、通してください」と。悪魔は、あまりにも恐れのない子鹿に心を揺さぶられ、道を開け、子鹿は無事に聖なる山に向かうことができたのです。
この話にはいくつもの象徴が隠されているように思います。
スピリチュアルな道のりの中で、私たちは必ず、観たくない自分、自分の持つ恐れや不安に直面されられることがあります。その時に、自分に恐怖や不安を与えようとしている存在に、どのように向かい合うかを子鹿は示しているのかもしれません。穏やかに、そして無条件の愛をもって。
そして、自分の意志をしっかりと伝えること。これもとても重要な在り方かと思います。意志を明確にするということは自分の魂とつながることでもあるからです。
鹿の持つメディスンの何か必要か?
いずれにしても、自分が前に進むときに必要な力を鹿が示唆してくれていると言えます。
写真:『Medicine Card』のDeer
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