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たえちゃんの魔法

これは、私たちEarth Partnerのセレモニーにいつも力を貸してくれる美しい魔法のものたちを紹介するシリーズです。今回ご紹介するのは、私たちのセレモニーに必ずといっていいほど登場する、たえちゃんの糸。私たちの個人的なセレモニーにも、みんなと行うセレモニーにも、たえちゃんの糸が大事なところで登場する。その作り主のたえちゃんと糸を紹介します。

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初めて会った頃のたえちゃんは、沖縄の紅型という技法を修練していた。師匠について真剣にやっていて、そして色々と葛藤していた。紅型の何が好きなの?って聞いたら、ただただ好きなんやけど、と言った後、「布に色が染まっていく瞬間がたまらないんです」と答えたたえちゃんの目がはキラキラ輝いて、少女漫画の目みたいで、まるでたえちゃんが若返ったみたいだったのをよく覚えている。


個人的なセレモニー中にこんなかわい子ちゃんが糸に!!

それから数年かけて、たえちゃんはもっと自分を純粋に見つめ続けた。不本意なこと、もう必要がなくなったことを一つ一つ手放していった。染めることや素材とお話しするシンプルさもっともっと夢中になっていった。
そして今、たえちゃんは「糸」にたどり着いた。糸にたどり着いたたえちゃんが、糸を紡ぐための機械を迎え入れて活動していくための資金を募った際、心ばかりの支援をした私はお返しは何がいいかを聞かれて、糸そのものがいいと答えた。たえちゃんは、染めた糸たちを持って私を訪ねて来てくれた。

初めて見るたえちゃんの糸たちは、どの色も本当にやさしく、美しかった。ひとつにくるくると束ねられた糸たちはまるで魔法の生き物のしっぽのようだ。触る時には「触っていいですか?」と心の中で聞いてから、そしてそうっと両手で触れたくなる。そんな糸たちがどんな素材で、どんな植物たちが染めに関わっているか、染めるときはどんな体験だったかをひとつひとつ丁寧に紹介しながら、たえちゃんは色んな話をしてくれた。月の満ち欠け、染めるためのお水を湧水から戴くこと、そのお水はどんな場所に湧いているのか、どんな気持ちで戴いているのか。植物から生まれる色たちの美しさ、不思議さ、糸が染まる瞬間のときめき・・・全部が、おとぎ話の中に出てくる妖精が語る魔法の世界のようだった。聴き終えた私が「たえちゃんは糸を通して魔法の話をしてるんだね」と言うと、たえちゃんはびっくりしたように固まって、なんでわかるの、みたいなことを言う。なんでわかるのじゃなくて、たえちゃんがそう言うからわかるんだよ。と返すと、顔を赤らめて動揺していた。

今のたえちゃんは、もう魔法に動揺していない。自分が植物や糸、自然のみんなとの魔法を糸という形に織り成しているのだということに、スっと背筋を伸ばして立っているように見える。そのたえちゃんは魔法を使うことを、とても謙虚に行なっている。それはとても正しいと思う。

自然の美しさに深く呼吸し、手を合わせて
素材のルーツにしみじみと思いを馳せてそうっと触れて
色を生み出す植物たちの美しさに畏敬に胸を震わせる

紡ぐ・染める・糊付けする・・・プロセスごとの美しさに感嘆するたえちゃんの姿が浮かぶ。すべてのプロセスに、「携わらせて頂いている」意識で触れているたえちゃんの姿が浮かぶ。祈りだ。

たえちゃんの糸に触れると、たえちゃんがいかにこの糸に大切に触れて来たかがすぐにわかる。そうっとそうっと触れることを意識と体に促してくる糸の佇まいに、たえちゃんが注いだすべての敬意が詰まっていることを感じる。たえちゃんが感じたすべての感嘆が含まれているように感じる。

たえちゃんの糸はいつも、セレモニーに力と魔法を加えてくれる。

人間には、自分自身と大切な約束をする時がある。私たちはセレモニーの中でよく意図を立てたり、約束をしたりする。そんな時、たえちゃんの糸を必ず使う。意図を書いた紙を結んだり、大切な象徴を心を込めて結んだり。「もつれる」は自然に無意識に起きる。だけど「結ぶ」には十分意識が必要。「私」が十分に意識を持って「結ぶ」約束や契りは、現実を動かしていく。人間が人間として、この世界で思いっきり生きていけますように。みんなの意図が形になって、世界に放たれますように。その私たちの祈りと、たえちゃんの糸はいつも一緒にいてくれる。護られているようにも、世界が一緒に創造してくれようとしているようにも感じられる。

たえちゃんの糸とたえちゃんはそっくり。いつもありがとう。
たえちゃんの糸は、祈りそのものです。
たえちゃんのものづくりの姿勢に、気高い戦士を見ています。

これからもどうぞよろしくね。

たえちゃんのHPはこちら

Earth Partner

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