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ドームと音楽

みなさんこんにちは!ごっとんです!

今回もアースバッグハウスの面白さや魅力について書いていこうと思いますよ。

アースバッグ工法は「自分の思った形、好きな形を作ることができる!」という工法ではありますが、一番特徴的というか、代表的なのはやはり「カテナリー曲線」を使ったカテナリードームですよね。
鎖の両端を持って垂れ下がらせた形を逆転させ、そのまま立体化させた可愛いくも頑強なドーム形です。

そのドームの楽しみ方の一つとして、「音楽」があると思います。
ドームの中で反響させながらさまざまな楽器を鳴らすのは非常に楽しいものなのです。

実際にいくつか例を上げてみますと…

音が身近に感じる!


以前僕は3mのカテナリードームを農家さんの倉庫として作成したことがあるのですが、完成したあとの声の反響音がとてもユニーク!
普通の会話でも比較的小さなドーム内ではしっかりと反響します。
そんな中で「楽器を鳴らしたらどうなるんだろう?」と思い至り、じゃあ思いついた楽器片っ端から鳴らしてみよう!と試してみたことがあります。

以前作成したドームと内部

・太鼓などの打楽器
バチを使うような大きな打撃音を出す太鼓はちょっとびっくりしますが、慣れると全身で音を受け取れる感覚がある。手で叩く太鼓は音の響き体に伝わってきて心地がよい。

・ギターやハープなどの弦楽器
高音を出すとやや若干耳元で響く感じはありましたが、柔らかい音はやはり包みこむように聞こえて心地よい。

・篠笛やディジュリドゥなどの管楽器
音の高い篠笛は音が跳ね返って若干つんざくイメージでしたが、音の低いディジュリドゥは振動が反響して伝わり、吹きごごちが良い。

・スマホのスピーカー音
普通のスピーカーで建築中ずっと音楽を聴いていましたが、音量が増幅されるので、元の音が小さくてもしっかり聞こえる。

試した結果をまとめると、低い音程で柔らかい音の出るものほど聴きやすく、心地よく聞こえるようです。そして、全ての音が反響によって増幅され自分に返ってくる感覚があるので、音をとても身近に感じることができました。

もう一つ例として(これも僕自身の経験ですが)以前5mのアースバッグドームでアイリッシュ民謡のアナログ演奏を聴いたことがあります。
実際は数メートル離れているのにさまざまな音が耳の近くで聴こえてきて、全身で音楽を感じられました。
驚いたのは演奏しているご本人たちも「スピーカーを通していないのに音がしっかり聴こえる!」とおっしゃってる事でした。

反響は倍音で共鳴?


全体的に個人の感想がメインの経験の紹介になってしまいましたが、音を鳴らした際の異様な心地よさが不思議に感じたので調べてみたところ、おそらく「倍音」のせいではないか、と調べながら思い至りました。

「倍音」とは元の音に反響した音が共鳴して重なった状態のことをいい、組み合わせによっては「良い音」を作る要素になるようです。

どんな共鳴でも良いというわけではないそうなので、経験からするとキンキンした高音程ではなく、響きやすい低音程が良い音になるための「倍音」が起きやすいのではないでしょうか。

紹介した例の他にも良い音の組み合わせがあると思うので、もーっと試しに色々ドーム内で楽器を鳴らしてみるのが良いと思いますよ!

一つ注意を書いておきますと、ドーム内でマイクで拾った音をスピーカーで出そうとすると必ず「ハウリング」がおきますので、その点はお気をつけくださいね。演奏をする際は「アナログ」がおすすめですよ!(※スピーカーで音楽のみ流すのは大丈夫。ハウリングは起きませんぞ!)

古くから続く天使の声を。自分達のドームで、自分達の音楽を。


倍音が証明される以前、300年以上前の人たちは合唱した時に聞こえる倍音を「聴こえるはずのない天使の声」といい、神秘として捉えていたそうです。

トスカーナ州のドーム聖堂

ドーム工法自体は古代ローマ時代から存在する歴史ある建築法なんですが、屋根を支える柱を必要としないため、人が集まる神殿や浴場、住居や公共物などに多く利用されてきました。

人が集まれば必ず音が生じますし、神殿ともなれば音楽を奏でたり合唱をすることもよくあったでしょう。
その度に反響する音は、実は昔は良いものとして認識されたこともあったのですね。

アースバッグハウスづくりも人が集まって行う工法です。
もしもチームで一つのドームを作り上げられたのなら、その中で自分達の好きな音楽を奏でるのは格別な体験だと思いますよ。

反響するということは、自分達で出した音は自分達に向かっているということです。その中に「音を奏でる」という大きな一つの幸せがあるのではないでしょうか。

もしやったことがなくて自信がないという人も、下手でもOK!
反響する音が一体感を生んで、一緒に奏でてる気持ちを強くしてくれます。

それが人と人同士の距離をより縮めていくことは、きっと間違いないでしょう。

アウトドアフィールドのんねむ 「コビットハウス」にて演奏会

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