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ハダカデバネズミ

 シロアリやハチなど、昆虫類では真社会性を形成する動物がいるが、哺乳類でも真社会性を形成する動物がいる。

 ハダカデバネズミというアフリカの地中で暮らすネズミで、文字通り、彼らには毛がなく、出っ歯のネズミだ。地中で暮らすので目は退化し、耳も地中で音が届く音波しか聞こえない。

 真社会性とはなにか。極めて高度な分業が行われることと、生殖が限られた個体でしか行われないこと(不妊個体がいること)が主な定義だ。このハダカデバネズミには女王、王、働きネズミ、兵隊、ふとん隊(働きネズミの臨時業務)という階層(?)がある。このネズミ、iPS細胞を作るにしても普通のラットの細胞から作るよりも特性を持った細胞が作れるそうで、そういう意味でも注目されている動物、らしい。

 私がTwitterを止める直前、「人間も真社会性を獲得した方が色々いいことあるんじゃないか」というようなつぶやきをみて、それはオルダス・ハクスリーの「すばらしき新世界」の世界(※)だなあと思ったのだけど、そんな格差バリバリのSF世界じゃない世界ってないかなあと考えていたところに、この動物のことを知った(というか調べた)のだった。元つぶやきの趣旨とは、皆がつがえると思っているから希望がある一方絶望も深いので、いっそ役割分担してあなたはこういう役割なんですよ、子孫は残さなくってもいいですよと言われた方が気楽なんじゃないかというようなことだと思う。

 (※)人は全てガラスの保育容器から生まれてくるようになり、受精卵の段階で一定の処理を段階的に受けて、優秀な子と、それほどでもない子、不妊の労働階級に分けて管理するという世界の話。この仕組みはフォードの生産方式をまねたTシステムとかFシステムとか呼ばれていたはず(うろ覚え)。

 でも、こういう知識を聞きかじりで知ったところで、「こういう風にストーリー展開してみたいんだけど、それは生物学的な常識とてらして無理がないか」とか、「こことここをこんな風に結び付けてみたいんだけど、どこかで矛盾が生じてこないか」みたいなことが自分だけでは解決できないでいて、困っている。そもそもハダカデバネズミを参考にするのがちょっと無理あるのかもしれないけれど。物書きなら、自分で調べろなんだけども、ちょっとお手上げ感があって、真剣に誰か助言してくれる人が欲しいなあと思う今日この頃。

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