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ユーザーの性別選択はなぜ必要なのか 〜サービス価値を考える〜

2020年12月1日よりクラウドワークスではプロフィールの性別欄で「回答しない」を選べるようになりました🎉

BEFORE:性別選択で「男性・女性」しか選べない
AFTER:性別選択で「回答しない」も選べる

今回は施策を通して得た感覚を綴っていきたいと思います。

どのような結果が得られたのか

まず結果をお伝えしてから施策内容を解説していきます。

理想の定性
性別が男性/女性に当てはまらない人が、「回答しない」を選択すること
個人情報保護や信念を理由として他ユーザーに自分の性別を公開したくない人が、「回答しない」を選択すること

実際の定量
リリース以降に新規登録したワーカーの平均約4.5%が「回答しない」を選択している

スクリーンショット 2021-01-28 23.11.20

リリース直後(12/1)にプロフィール変更をした人のうち約17%が性別を「回答しない」に変更していて、その後も平均約4%が「回答しない」に変更しているスクリーンショット 2021-01-28 23.10.19

実際の定性

リリース直後(12/1)にプロフィール変更をした人のうち約17%が「回答しない」を実装してすぐに変更しているという事実にはびっくりしました。5人に1人くらいは回答したくないと思ってたという事ですもんね...
新規登録のワーカーさんも平均約4.5%が選択している→20人に1人くらい?
意外と多いと感じましたし、「回答しない」を選択できるようになってよかったなと思います。

なぜこの施策を行なったのか

今まで性別欄では「男性」「女性」の二択でしか選択できず、プロフィールページでは「公開」され、またフォームとして「必須」の条件でした。
※必須条件の背景としては、クラウドワークスではクライアント向けのスカウト発注などの機能があり、中には性別指定が妥当であると考えられるスカウトもあるため、その条件検索に使用されています。

ですが、
男性、女性に該当しない方
個人情報保護や信念を理由として他ユーザーに自分の性別を公開したくない方
など様々な考え方がある中で、二択でしか選択できない状況を打破したい。という気持ちからこの施策は始まりました。

どうやって施策を練っていったか

現在クラウドワークスの開発チームではアジャイル開発を推進しており、今回の施策もPO、デザイナー、エンジニアのチーム全員で施策提案から関わっていました。様々な観点からの意見が出揃い、納得がいく内容になったかと思います。

まず、そもそも選択した性別は公開される必要があるのか?というところから考えました。
確かにワーカーにとっては「仕事をする上で性別なんて関係あるのか!!」と思われる方も多いハズ...
ですが、先述の通り、お仕事の依頼の中には性別指定が妥当であると考えられるスカウトもあるんですよね。
例えば「男性のキャラクターに男性らしい声を当てたい」という特徴を生かした依頼や「女性の身体的悩みを答えてほしい」など生物学的な内容の依頼などが考えられます。
(声に関しては最近はいわゆる両声類とかもいますが、スカウトすると考えるとやはり男性にお願いしたいところ。)

以上を踏まえて、スカウト発注などの条件検索にクライアントがワーカーを選ぶ権利を阻害すべきではないという前提を決め、「必須項目は外さない」という選択に至りました。

次に、第三の選択肢を追加するとしたらどんな文言が適切なのかを考えました。
よくあるフォームでは「男性」「女性」「その他」の三項目を見かけますが、「その他」は今回のターゲットに適切な言葉なのかという疑問が上がりました。
性別という枠組みだけであれば「その他」でも良かったのですが、個人情報保護や信念を理由として他ユーザーに自分の性別を公開したくない方にとっては「別にその他なわけじゃないし男女で選択できるんだけど公開もされたくないし...」という複雑な気持ちにさせてしまうことを懸念しました。

結果、「その他」ではなく「回答しない」という「性別の選択」ではなく「性別選択自体の選択」が出来るような文言に確定しました。

その他議論を続けたので画像でですが一部内容を紹介します。
どこまで考えなければいけないのか...そういったところの参考になれば。

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多様性とはなんなんだろう

UXデザインコンサルタントのManabu Ueno氏のtwitterより

この記事では、シスジェンダーの人と、トランスジェンダー/性不適合を持つ人が、性別欄を見たときの感じ方の違いを解説しています。

シスジェンダーの人は、自分の性に違和感がないので、男女の性別を問われても何も考えない。
しかし、トランスジェンダー/性不適合を持つ人は、ジェンダーアイデンティティの変化を経験している。もしかしたら自分が何者かもわかっていないかもしれないし、彼らのステータスは秘密かもしれない。
生まれたときに割り当てられた性はビジネスのどれにも当てはまらないし、定義されるものではない。
彼らはなぜ自分のジェンダーを知りたがるのか​、​不思議に思うでしょう。
あなたが尋ねている具体的な情報は何ですか?彼らの性同一性、IDの性別、コミュニケーションで使うための彼らに好ましい代名詞ですか?

Manabu Ueno氏がツイートで挙げているように、この記事では 性別欄に関する推奨事項 として、7項目が書かれています。
1. 質問する理由を明らかにする
2. 非公開、安全、匿名にする
3. 任意にする
4. 性別ではなく代名詞(彼、彼女など1人称をなんとするか)を聞く
5. 複雑な答えに備える
6. 国際化を視野に入れる
7. 質問しない

今回の施策を通じて、必須項目で性別を尋ねている理由を明らかにすることが根本原因の解決に繋がったのだと思います。
昨今、多様性の関心が高まる中、サービスとしてはどのように捉え、適切な環境を作っていくのかを今一度チームの人たちと話してみるのも良いかもしれません。

クラウドワークスは、「時間・場所・年齢・ジェンダー問わず、全ての人にとって働ける場」を目指し、今後も改善を続けていきます😌✨

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