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【戦評】 原辰徳さんが千賀級と評した、古川侑利プロ初勝利の力投!~6月5日○楽天4-1巨人

連敗止めた古川のプロ初勝利

待望のプロ初勝利は、球団史上初の巨人戦!
試合後、ヒーローインタビューに呼ばれた古川の万感の思いこもる開口一番は、じつに印象的だった。

初回から全力で飛ばした古川は98球の熱投。
三者凡退は2回1イニングだけで、初回は1番・陽にフェンス直撃二塁打を浴び、いきなりの無死2塁。
ほぼ毎回ランナーを背負ったが、集中していた。
要所を締め、5回を1失点に抑えるピッチングに、生涯、巨人をライバルにした天国の闘将も喜んでいるはずだ。

6回からの継投作戦も機能した。
走者を出す場面も多かったが、宋、池田、松井、ハーマンと「勝利の方程式」が必死につないだのは、古川に記念球を届けたい!その一心だっただろう。

ただ、8回はハラハラした(苦笑)。
松井が2四球を出して1死2,1塁のピンチ。
打席は1番・陽だったが、この日最も欲しい場面でゲッツーを取ることができ、なんとか危機脱出できた。

打線は効率の良い4得点になった。
巨人の8安打に対し、楽天はたったの3安打である。

巨人戦通算打率.379のウィーラー、東京ドームでは通算打率.419と気を吐いた銀次はノーヒット。
この2人を筆頭に多くの打者が軒並み無音を貫くなか、田中と茂木が快音轟かせている。

茂木は4/26ロッテ戦(●E0-1M)以来の2番スタメン.
0-0の3回、5/4西武戦(●E5-6L)以来のホームランが飛び出し、この左中間への一発が先制決勝弾になった。

この回は山口が足元のバランスを崩し、先頭・嶋にストレートの四球を与えていた。
その後、2者が三振に倒れて2死1塁。
茂木も2球で0-2と追い込まれ、貰ったチャンスがしぼみかけた瞬間だったのだ。

そのなか、勝負はフルカウントにもつれこんでいく。
最後はフォアボールを出すのを嫌いストライクゾーンに投げ込んできた山口のスプリットを捉えた。
追い込まれても持ち味のフルスイングで応戦できた点が、貴重な2得点を生んだ。

今季2度めの1番に座った背番号25は、2戦連続のマルチヒット。
5/26ソフトバンク戦(●E3-4H)から続く連続ヒットを「8」に伸ばしている。

1本目は自身初になる初回先頭打者初球安打。
コースに逆らわない素直な逆方向へのヒットになった。

2本目は終盤8回、好投・山口俊をKOに追い込んだ右前タイムリーで相手の闘志をくじく価値大の一打だった。
というのは、この回、山口は2四球で1死2,1塁、打席に田中を迎えた場面で斎藤コーチがマウンドで叱咤激励をした直後、打ち砕いたのだ。

しかも、2-2勝負で低め誘い球にくらいついた当たり。
一塁手、二塁手がともに横っ飛びした1,2塁間を、しぶとくこじ空けた。

その後、火消しに出てきた池田、谷岡がともに地に足つかずの投球でバタバタし、四球や暴投を連発したのも、田中の一打が相手に効いた何よりの証なのだ。

このゲーム、楽天の安打数よりも敵軍ヒットのほうが5本以上多い今季14試合での初勝利(1勝13敗)になり、安打数よりも得点のほうが多かった今シーズン唯一のゲームになっている。

これでチーム成績は6位、53試合18勝34敗1分の勝率.346、借金16へ。

ゲーム差は1位・西武と14.0、2位・日本ハムと12.5、3位・ソフトバンクと10.5、4位・オリックスと9.0、5位・ロッテと7.0になっている。

勝負の分かれ目を担った2場面

勝敗の分かれ目は、4回裏の攻防だった。

2-0と2点リードながらも2死満塁ピンチ。
この回は1死後、5番・亀井、6番・マギーに連打を許していた。

7番・ゲレーロの痛烈打球は、セカンド銀次の正面をつく二直。
僥倖に救われ2死2,1塁になったが、8番・小林への3球目が大きくはずれて2-1になったところで、梨田監督が申告敬遠を指示した。
2死満塁と塁を満員に埋めても、後続の投手・山口との勝負を選択したのだ。

はたして結果は、ひっぱりの痛烈打球。
左前行きの適時打コースだった。
あわや・・・という窮地を救ったのは、三塁手ウィーラー。
三塁UZRでマイナス値を出している助っ人が、ここは果敢なダイビングキャッチで球をもぎ取っての三ゴ。

もし抜けていたら1点返されてなおも2死満塁、打席にはこの日、中越二、四球の1番・陽という場面になっていたから、古川を盛り立てるビッグプレーになった。

5回2死1塁、4番・岡本の左越えフェンス直撃弾が柵越えしなかったとか、他にも勝敗の分かれ目はあるかもしれないが、もう1つ僕が注目したシーンがある。

それは、、、

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