【試合評】実はデーブボールよりも弱かった今年の梨田楽天~2016年7月24日●楽天イーグルス2-3ロッテ

エース対決を惜しくも落とし、3位とのゲーム差は今季最多タイ12.5へ

昨年10月6日以来、通算3度目のマッチアップになった則本昂大vs涌井秀章。

両軍エース対決を惜しくも1点差で落とした楽天は、チーム成績を86試合35勝49敗2分、借金14、勝率.417とした。

ゲーム差は1位・ソフトバンクと22.0、2位・日本ハムと17.5、3位・ロッテと12.5、5位・西武と0.5、6位・オリックスと3.0としている。

両軍のスタメン

ロッテ=1番・荻野貴(右)、2番・加藤(中)、3番・角中(左)、4番・デスパイネ(指)、5番・福浦(一)、6番・鈴木(遊)、7番・中村(三)、8番・田村(捕)、9番・三木(二)、先発・涌井(右投)

楽天=1番・島内(右)、2番・藤田(二)、3番・ペレス(左)、4番・ウィーラー(指)、5番・銀次(一)、6番・今江(三)、7番・聖澤(中)、8番・嶋(捕)、9番・三好(遊)、先発・則本(右投)

今年の梨田楽天、昨年のデーブボールよりも遥かに弱い

実は今シーズンの梨田楽天、デーブ監督が指揮を執った昨年と比べても、明らかに弱いのだ。下記に開幕86試合終了時の各年度チーム成績を表にまとめてみた。

このとおり、極端な投高打低の是正でリーグ環境が今と同じになった2013年以降では、86試合終了時の勝率.417はワーストなのだ。得失点差で見ても-85はワースト。3位とのゲーム差では、2014年が6.5、2015年が4.5だったのに対し、今年は12.5である。

今年は西武やオリックスが楽天よりもチーム状態が酷く、楽天の下に沈んでいるため、目立たないかもしれないが、今シーズンの楽天は明らかに弱い。この厳然たる現実を我々ファンは改めて確認する必要がある。

いったい誰得?!  エース則本の酷使問題

その中で、本当に素晴らしいエース対決の投手戦になったが、負けて3位とのゲーム差がさらなる絶望の12.5に広がった今、果たして則本を中5日で起用し続けることが良いのか、改めて問いたい。本当に誰得なのか、疑問に思うのだ。

このまま中5日メインの起用を続けた場合、今後は恐らく11試合の先発登板が予想される。則本の今季1試合平均球数は120.1球になっているので、残り11試合で1321球を投げることが推測できる。

この1321球を、ここまでの2162球(これはリーグ最多、両リーグでもメッセンジャーの2192球に続く2位だ)と足し合わせると、レギュラーシーズンだけで3483球になる可能性が出てくるのだ。これは1年目の2807球、2年目の3221球、3年目の昨年3196球と比べても、明らかな球数過多になる。

さらに11月にはオランダ、メキシコとの侍ジャパン練習試合が予定されており、来春にはWBCが控えている。侍ジャパンの中核メンバーとしての活躍が見込まれている則本は、恐らく両方とも召集を受けるはずだ。こうなると、本当に肩肘に休まる時がなくなるのだ。

もし則本に何かあれば、現状3年構想の梨田楽天の、その2年目や3年目にも多大な影響になってしまいかねない。143試合中30試合近くのスターターを安心して任せることができ、チームの年間投球回の約15%を高いレベルでイニングイーターできる逸材なぞ、どこを探してもいるものではない。このことを、フロントや現場はいったいどう考えているのだろうか?

真剣に勝ちにいくつもりがあったのか?!

先日、則本を中5日起用するなら、指揮官は徹底的に勝ちにこだわりを見せる采配を揮って欲しい。そのように書いた。ところが、その采配に疑問符を感じる攻撃シーンが其処此処に見受けられた。

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