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【試合評】池山の「頑迷さ」と細川の「配球ミス」が招いた首位転落~7月7日●楽天0-5西武

変える必要のない打順をいじくり、今季2度目の零敗で首位陥落

9試合ぶりの「2番・ペゲーロ、3番・ウィーラー、4番・アマダー」のスタメンオーダーだった。

ここに及んでまだなおも、なぜこの打順にこだわり続けるか?
試合前にスタメンを確認したとき、ぼくは立ちくらみがする思いだった。

アマダーに4番は不向きであることは明らかなのだ。
中南米出身者にしては珍しく、内向的すぎるアマダーの性格から考えれば、4番の重責は、ただただ重荷にしかならない。

生まれ育ったメキシカンリーグの4番なら話は違ってくる。
しかし、これは力量上がる上位リーグのNPBの話である。
メキシカンリーグ二冠王のプライドを持って臨んだNPBだったが、なかなか自分の力が思うように通用していない。
そのなかでの4番は、アマダーにとって足かせだと思うのだ。

このことは、この2年間の数字が証明している。

下記表は、アマダーが4番スタメンで出場したときと、4番以外で先発出出場したときのOPSを比較したものになる。(本戦試合前データ)

ご覧頂いているとおり、4番以外のときのほうが断然数字が良いのだ。
重圧の少ない打順の下位で伸び伸びやらせたほうが、活躍してくれるのだ。

明らかすぎるデータが出ているにも関わらず、その日の打順決定権を任されている池山チーフコーチは、4番にアマダーの名前を今シーズン43回も書き入れているのだ。

ウィーラーのOPSも、4番スタメンで1.072を記録する数字が、3番スタメンだと.800に下がっていて、チームNo.1のムードメイカーの打棒も、慣れ親しんだ4番でこそ最大発揮する。

変える必要のない打順を9試合ぶりにいじったことで、案の定、ウィーラー、アマダーともに4タコに終わった。
しかも両者4打席中3打席は複数走者を塁に置いた得点圏。
楽天が得点圏打席に送り込んだ打者9人中6人がこの両者で、この日、ウィーラー、アマダーは揃ってブレーキ役になってしまった。

この日の菊池雄星の出来は良すぎていて、投げ終わった後にマウンド上でピョンと1回転する躍動ぶりが、歌舞伎役者が見得をきるさまに良く似ていた。
打順を変えても変えなくても、結果は負けだったかもしれない。
それでも、4番・ウィーラー、6番・アマダーだったら、試合展開も少しは変り、零敗は阻止できたのでは?と思うのだ。

楽天にとって七夕は、2010年から5連勝が続く縁起の良い日だった。
そんな吉日に今シーズン2度目の零敗をくらい、開幕70試合守り続けてきた1位の座をホークスに明け渡して2位転落になったのは、池山コーチの意味不明すぎる頑固さも、その要因の1つだったと思う。

これでチーム成績は開幕71試合目にして初の2位。
46勝24敗1分の勝率.657、貯金22へ。

各種戦績は、リーグ戦再開(=茂木離脱後)6勝4敗1分、7月2勝3敗、西武戦5勝5敗、koboパーク19勝10敗1分、カードの初戦12勝14敗1分に。

ゲーム差は、1位・ソフトバンクと1.5、3位・西武と7.0、4位・オリックスと14.0、5位・日本ハムと19.5、6位・ロッテと24.5になっている。

両軍のスタメン

西武=1番・秋山(中)、2番・源田(遊)、3番・浅村(二)、4番・中村(三)、5番・栗山(指)、6番・メヒア(一)、7番・外崎(左)、8番・炭谷(捕)、9番・愛斗(右)、先発・菊池(左投)

楽天=1番・島内(中)、2番・ペゲーロ(右)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(指)、5番・銀次(二)、6番・今江(一)、7番・松井稼(左)、8番・三好(遊)、9番・細川(捕)、先発・辛島(左投)

島内、ペゲーロ、好調を維持!

数少ない朗報になったのが、島内、ペゲーロの状態が依然良いことである。

ストレートは最速152km、平均でも147.3kmを計測。
楽天打者がスイングした変化球24球中12球で空振りを奪ったその切れも上々で、自己最多タイ14奪三振を記録した相手先発・菊池。
そんなパリーグ防御率1位の「NPBのクレイトン・カーショウ」から、島内、ペゲーロがともに2安打を放った。

島内は、右安、二ゴ失、右安、四球で7試合連続安打。
4打席全て出塁に成功する活躍をみせた。

ペゲーロも、右安、四球、見三振、左安。
6月17日阪神戦(○E8-2T)からの活躍ぶりが凄まじいのだ。

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