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【戦評】 「残酷ショー」と化した満員御礼の東北開幕戦~4月3日●楽天0-2日本ハム

満員御礼の残酷ショー

こんな様子じゃあ、先発・岸が自身2度目のノーヒットノーランをやってたとしても、勝てるわけがない。

満員御礼の東北開幕戦は、終わってみれば3時間4分の「残酷ショー」になった。

岸は4回1死までパーフェクト・ピッチングを展開。
6回まで2塁を踏ませず1安打に抑え、7回8回と連続でピンチを背負ったものの、落ち着いた投球で後続を断ち、8回までゼロを並べる109球の好投だった。

作戦上、今季から導入されたチーム初の申告敬遠を7回2死1塁で5番・レアードに与えたものの、自ら出した四球はゼロ。
カウントが3ボールを記録したケースも打者3人のみと少なかった。

ストライク率は73.6%と高値を叩き出すなど、梨田監督が「精密機械だ。針の穴を通すようで素晴らしかった。ピッチャーの教科書に載せたい」と評し、5回完全投球だった3/25巨人とのオープン戦を彷彿とさせる好内容だった。

にもかかわらず、打線が援護できない不甲斐なさ。
これは昨年何度も見せられた光景で、昨年8/4ロッテ戦を皮切りに、岸がハイクオリティスタートを記録したときに限って、6登板連続で白星がつかない異常事態になっている。

《昨年》
8/4ロッテ戦 (7回2失点で勝敗つかず、援護1点)
9/1ソフトバンク戦 (8回2失点で敗戦投手、援護0点)
9/8オリックス戦 (7回3失点・自責2で敗戦投手、援護2点)
9/14西武戦 (8回2失点で敗戦投手、援護1点)
10/4ロッテ戦 (7回1失点で勝敗つかず、援護0点)

《今年》
4/3日本ハム戦 (8回0失点で勝敗つかず、援護0点)

(下記へつづく)

両軍のスタメン

日本ハム=1番・西川(中)、2番・田中賢(二)、3番・近藤(右)、4番・中田(一)、5番・レアード(三)、6番・アルシア(左)、7番・大田(左)、8番・清水(捕)、9番・中島(遊)、先発・上沢(右投)

楽天=1番・島内(左)、2番・茂木(遊)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(指)、5番・藤田(二)、6番・銀次(一)、7番・岡島(右)、8番・嶋(捕)、9番・田中(中)、先発・岸(右投)

松井、2登板連続で失点

打線が援護できず無為に0-0のスコアレスを重ねた結果、9回に「悲劇」が待ち受けていた。

梨田監督は先発・岸を諦め、二番手で松井を投入。
この判断は問題なかった。

2万6千超の大観衆の前での東北開幕戦。
全員が背番号77を着用した闘将追悼試合というメモリアルゲームで相当の重圧があったと思うからだ。
いくら0-0と言えども、今季初登板からこれ以上の無理をさせる必要もなかった。

また、球数は109球を数えていた。
昨年の岸といえば、それまで1点の曇りない好投をしていても、球数110球を越えた途端に崩れ、110球以降の被打率.328、被OPS.870だった。

それに9回登板したのは守護神。
開幕戦でセーブ失敗したとはいえ、わずか3年で爆速96個のセーブを積み重ねた、サファテと並ぶ当代随一のクローザーである。

ところが、背番号1が2登板連続で崩れた。

いきなりの連打で招いた無死2,1塁、4番・中田の当たりはバットの先で打たせた投ゴ。
1-6-3の併殺コースだったが、遊撃・茂木が2塁ベースカバーに入るのが遅れ、松井からの2塁送球を捕球するのがせいいっぱい。
オールセーフで無死満塁となり、5番・レアードに左中間へ2点二塁打を浴びてしまった。

この場面、ぼくは二重の意味でガックリきていた。

茂木の守備ミスも痛恨すぎたが、、、

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