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【戦評】イヌワシ打線を悩ませた武田翔太のイメチェン投球~7月29日●楽天0-4ソフトバンク

2塁踏めずは今季初

奇跡の逆転Aクラスへ、連勝街道を5に伸ばしたかった7月最後の日曜日。

しかし、思わぬ伏兵が楽天に立ちはだかった。
その正体は今シーズン防御率4.96と振るわず、白星もまだ2勝のみ、約2ヵ月前の対戦では6回8安打5得点とイーグルスが土をつけた、まさかの武田翔太だった。

楽天の1試合平均得点は、平石新体制では5.77を記録している。
この値は首位・西武の当該5.08を上まわる得点であり、オールスター明け後半戦はさらに元気良く6.50を叩き出すのだ。

そんな「新生イヌワシ打線」が、鷹の18番に完封シャットアウトを許した。
シングルヒットわずか3本と沈黙、今シーズン初めて2塁すら踏めず敗れている。

イヌワシ打線を悩ませた武田のマッスラ速球

原因は武田のストレートにあった。

ゲーム後の平石代行の談話によると、その速さというよりも、回転に手を焼いたという。
通常、多くの投手のストレートはシュート回転している。
ところが、この日の武田のストレートは予想外のマッスラ回転で、左打者に食い込むかたちの軌道を描いたことで、苦しんだというのだ。

現在セパ単独トップ12勝を挙げるロッテのボルシンガーの速球もマッスラ回転の軌道だという。
そのボルシンガーは同日西武戦で4回6失点と炎上、このため岸投手がパリーグ防御率ランキング1位に返り咲いている。

さておき、ストレート打率は後半戦.319と良く打っている楽天打線は、最後まで対応できず、マッスラ回転の真っすぐで20打数1単打、2三振、1四球、ゴロ率72.2%の成績を余儀なくされた。

とくに自慢の左打者陣のヒットは、田中の初回先頭打者ヒットの1本のみに抑えられ、「打たされゴロ」を量産するハメになり、今季9度目の零敗を喫し、平石新体制では初の無得点に終わった。

改めて、気の毒な存在は、先発・辛島なのだ。

ここまでの先発14試合の援護点は平均1.29。
無援護も6試合を数え、今年は孤立無援を強いられるケースが多い。
新体制になり、打線は生気を取り戻し活発になったものの、なぜか背番号58が先発するときは0、0、3と点が取れない。
そして、本戦も御多分に漏れずの結果になっている。

その辛島は序盤2回をゼロに抑えたが、先頭打者の出塁を許した4回と5回に捕まった。

4回は4番・内川に先制ツーベースを献上して1失点。
5回は2安打1四球で1死満塁のピンチを招くと、打席に先制打の4番・内川を迎えたところで降板した。

平石代行は二番手・久保に火消しを託したが、4番・内川の巧打で2失点、6番・中村にも適時打を許し、辛島が残した走者3人全てを生還させてしまう。(E0-4H)

結局、5回の3失点が決定的になり、0-4のまま敗れた。

これでチーム成績は6位、90試合38勝51敗1分、借金13へ。

各種戦績は、ソフトバンク戦8勝9敗、平石代行17勝10敗、7月11勝7敗。

ゲーム差は1位・西武と15.0、2位・日本ハムと12.0、3位タイのソフトバンク、ロッテと6.5、5位・オリックスが同日勝利したため4.5になった。

両軍のスタメン

楽天=1番・田中(中)、2番・茂木(遊)、3番・島内(左)、4番・今江(三)、5番・銀次(一)、6番・アマダー(指)、7番・藤田(二)、8番・ペゲーロ(右)、9番・嶋(捕)、先発・辛島(左投)

ソフトバンク=1番・川島(二)、2番・上林(右)、3番・内川(一)、4番・デスパイネ(指)、5番・中村(左)、6番・松田(三)、7番・今宮(遊)、8番・甲斐(捕)、9番・牧原(中)、先発・武田(右投)

大胆な攻めに遭い、両外国人ノーヒット

この試合は今季15度目の外国人打者ノーヒットゲームにもなった。
後半戦では7/17ロッテ戦(○E6-1M)以来の2度目だ。

前夜2年連続20ホーマーを決めた6番・アマダー。
7月11発とし、楽天の外国人打者の月間本塁打記録を塗り替えたAマッドは、7/22日本ハム戦(●E3-6F)を起点に5試合連続複数安打が続いていた。

しかし、この日は1打席目から大胆な配球に遭い、主導権を握られた。

1打席目の5球勝負は全て、、、

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