20160202中川

2016年ブレイク前夜を予感させた、楽天・中川大志の2015年

本文2,000字で中川大志を語る

2015年の前半戦を思い返して欲しい。開幕から外国人打者が思うように機能せずに苦しんだイーグルス。主軸を期待された助っ人が低空飛行を繰り返す中、4月5月6月と一進一退の攻防を繰り返しながらも、交流戦終了時点で借金は僅かに1、3位・西武とのゲーム差4.5の位置につけていた。

ズルズル行かず、この位置に踏み止まることができたのは、誰の功労が大きかったか? 

「投」では開幕4戦4勝のレイの名前が挙がりそうだ。あの時点で防御率0.55、16セーブをマークしていた松井裕樹の存在も忘れてはならない。

では「打」の功労者は?と言うと、私は背番号56の槍働きを挙げたい。

交流戦終了時点での打率/出塁率/長打率は.294/.338/.479。OPSは好打者の基準8割を超え、ホームランは僅か130打席でペーニャと並ぶ5本を量産。チーム最多7本だった松井稼に次ぐ2位タイの多さだった。

2015年は5月4日に1軍初登録。スランプに陥った岡島と新外国人ウィーラーが前日に2軍落ちしていた。その翌日1軍招集されると、同日ファイターズと戦った敵地ナイトゲームに代打出場。1点差の8回1死3,2塁で起用され、「自分を信じて打席に入った」という2015年初打席でベテランリリーバーの宮西から点差を広げる貴重な中犠飛を放ち、2010年以来の打点で勝利に貢献した。

その翌々5月6日の日本ハム戦では4年7ヵ月ぶりの先発出場。プロ1号が飛び出した5月10日の敵地ソフトバンク戦では他にフェンス直撃を含む2本のツーベースを放つ大活躍。楽天打者によるこのシーズン初の1試合3長打は、大志を抱く未来の和製大砲によって成されたのだった。

以降の大活躍は皆さんも良くご存じ。改めて記す必要もないだろう。打席内で右手首のリストバンドに吹きかけた甘い香水を何度もかぐことで精神統一しての必死の活躍。5月21日コボスタでのファイターズ戦では初めて4番に抜擢されると、6月4日神宮ヤクルト戦では成瀬善久から4番打者として2打席連発。試合を決定づける大車輪の仕事ぶりをみせた。4番打者が630万円という格安すぎる年俸が話題になったのも、この頃だ。

本塁打を含む15本の適時打に2本の犠飛、合計17本の打点付き打席は、先制3、同点3、勝ち越し4、逆転1、サヨナラ1、合計12本が価値あるシーンで飛び出していた。過去4年間、細切れの5打席しか与えられてこなかった鬱憤を一気に晴らすかのような、堰を切った槍働きの連続がとても印象的で、沈みかねない「楽天丸」の推進力を担った。もし背番号56の活躍がなければ、チームはもっと早い段階で最下位に落ちていただろう。

中川のブレイクはファンだけでなく、ナインを勇気づける活躍でもあった。『Eagles Magazine』2015・12-2016・1月号。同誌には楽天イーグルスの選手たちが選んだ2015ベストゲームが紹介されている。選手間投票で最多10票を集め1位に輝いたのが、延長10回3時間9分を戦った5月31日巨人戦(○E4x-3G)だった。この試合のヒーローこそ中川大志である。

※※※ここから先は有料エリアでお楽しみ下さい。コボスタの最寄り駅・宮城野原駅から電車で長町まで乗った(運賃200円)と思って、お楽しみ下さい。なお、本稿は当メールマガジン2015年1月30日配信号のコンテンツの一部を、加筆・修正したものになります。

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真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える、信州上田在住、楽天応援の野球ブロガー。1球単位のプレーデータをはじめ、各種記録や指標等で楽天の魅力・特徴・課題・現在地を定点観測するブログを2009年から運営の傍ら、有料メルマガ、『週刊野球太郎』など野球専門媒体への寄稿歴も有。
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