【試合評】エースの快投、打線の爆発。梨田楽天、交流戦白星発進!~2016年5月31日○楽天イーグルス9-1阪神

投打かみ合う虎退治

火星が地球に最接近したスーパーマーズの夜、結果次第では自力V消滅もあった中、楽天が交流戦の開幕戦を理想の形で白星で飾った。

マウンドを支配するエースの好投。打線は序盤に4番のバットで先制、その後に小刻みに追加点を挙げると、終盤にはダメ押しのビッグイニング。投打が真の意味でかみ合ったナイスゲームで、交流戦の開幕試合を白星で飾った。

6回1死で1番・鳥谷に中安を許すまで、則本はノーヒットノーランペースの快投を演じた。

立ち上がり、阪神の上位打線を三者三振に切ってスタートさせた則本は、いつも以上にテンポアップした投球間隔が印象的だった。阪神打線に息つく暇すら与えず、リズム良く投げ込んでいく快刀乱麻のピッチング。

2回には4番・ゴメスを厳しいインコース真っ直ぐ攻めで打ち上げさせての中飛に追い込むと、セリーグ5月月間打率1位.400と打撃好調の5番・原口にはアウトコースのスライダーと速球のコンビネーションで遊ゴに屠る。長打を嫌ったのか6番・ヘイグにはやや慎重になり四球を与えたものの、セリーグ新人王候補の7番・高山にはタイミングを外した左飛に退け、序盤2回を零封した。

両軍のスタメン

阪神=1番・鳥谷(遊)、2番・上本(二)、3番・福留(左)、4番・ゴメス(一)、5番・原口(捕)、6番・ヘイグ(指)、7番・高山(左)、8番・今成(三)、9番・俊介(中)、先発・能見(左投)

楽天=1番・岡島(右)、2番・吉持(二)、3番・茂木(遊)、4番・ウィーラー(左)、5番・中川(三)、6番・銀次(一)、7番・松井稼(指)、8番・足立(捕)、9番・オコエ(中)、先発・則本(右投)

ウィーラー、岡島の本塁打攻勢に中川のタイムリー

その直後の2回裏だった。4番のバットがエースを援護した。

カウント2-1からのチェンジアップ。能見x原口の相手バッテリーが低めに誘いたかった投球が高めに浮いて入ってきた。それを逃さず一閃。逆風をものともせず、左翼席に叩き入れる8号ソロが、先制の1点になった。(楽1-0阪)

先制直後の3回表、則本はしっかり三者凡退。エースが試合の主導権を改めて強く引き締めると、その裏の攻撃、今度は1番・岡島に待望の1号ソロが誕生した。(楽2-0阪)

ここも3-1のバッティングカウントから。外角狙いでストライクを取りにきた速球がコマンド乱れて中に入った失投を逃さなかった。個人的にも物凄く待望していた一発になった。本人はお立ち台で「間違っちゃいました! 自分自身もファンのみなさんも多分でるとは思ってなかったと思うので、間違っちゃいました」と謙遜調だったが、この人、2014年(出塁率.353、7本塁打)にその片鱗を見せたように、高い出塁率と年間二桁前後のホームランを両立できる、イーグルスでも稀有な存在だと思っている。今後も間隔を空けず2号3号と期待したい。

ホームラン攻勢で2点を先制したイーグルスは翌4回、今度は5番・中川が魅せた。

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