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【戦評】 山下の「古巣斬り」好リードも冴えた、新世代エースの躍動~4月19日○楽天3-1ソフトバンク

石川の絶対球を打ち砕いたアマダーの先制3号ソロ

負ければ今シーズン早くも2度目の同一カード3連敗。
借金も二ケタ寸前9まで膨らむ事態になっていた本戦。

チームの窮地を救った立役者は、昨年未曾有の連敗をストップさせた高卒2年目右腕。
「次世代エース」の片鱗をみせる7回無失点のピッチングでリーグ3位の防御率に躍り出た藤平の快投だった。

貧打はあいかわらずだ。
本戦を終えても1試合平均3.33得点は、金曜日からぶつかるオリックスの3.35をわずかに下まわるリーグワースト。

それでもである。
本戦で挙げた3得点はいずれも価値あるもの。
快投藤平の背中を後押しするには十分だった。

イーグルスは2回、アマダーの先制弾で1点を奪取した。

この1点はとにかく価値大だった。
結果球は石川の看板球、120キロのパワーカーブ。

石川のカーブは特殊球で、NPB平均値よりも平均球速が高く、打者が見逃したり空振りしたりする頻度も多く、打球がゴロになりやすく、フライになる割合が極端に低いという「独特の特性」を持った魔球なのだ。

このことは、先日データスタジアムさんが詳しく解説している。
下記記事をぜひご参照してください。

楽天打線も御多分にもれず、昨年は石川のカーブの前にゴロしか打つことができなかった。

本戦でも楽天の打者はカーブを打ってゴロ率62.5%。
打撃好調の山下はこの平均球速119.4キロのブレーキングボールに3度手を出し全てゴロ凡打に倒れ、ウィーラーは数多くの空振りや見逃しストライクを奪われるなど、石川の術中にハマっていた。

アマダーの他にフライを打つことができたのは、昨季は両リーグ第5位のカーブ打率.333を記録し、本戦で球団33代目の4番打者に就任した島内の左飛、中飛のみ。

こういう具合だったから、アマダー3号ソロの価値の大きさが分かる。

そのアマダーは直近4試合で17打数6安打6打点、3三振、3本塁打。
4/15西武戦(〇E12-6L)の今季1号を起点に打撃の調子を再び上げてきたと言えそうだ。

両軍のスタメン

楽天=1番・岡島(左)、2番・藤田(二)、3番・銀次(一)、4番・島内(中)、5番・ウィーラー(三)、6番・アマダー(指)、7番・山下(捕)、8番・ペゲーロ(右)、9番・三好(遊)、先発・藤平(右投)

ソフトバンク=1番・本多(二)、2番・上林(右)、3番・柳田(中)、4番・内川(一)、5番・デスパイネ(指)、6番・明石(左)、7番・松田(三)、8番・今宮(遊)、9番・甲斐(捕)、先発・石川(右投)

ハッスルボーイに元気が戻ってきた!

2点目は4回、楽天で「快音」という言葉が最もふさわしいこの人のバットから1号ソロが飛び出した。

スタメン落ちになった前日から一転、今季初の3番抜擢を受けた銀次が、石川の失投フォークをロックオン。
右翼ポール際へ弾丸ライナーで運ぶ大当たりの1本で、イーグルスが追加点を入れた。
年に多くてもホームラン4本の打者が大きな仕事をしたという点でも、意味ある加点になった。(E2-0H)

3点目は9回だった。
1死後、四球出塁した島内が今季失敗なし5個目のスチールを決めると、ここまで打点1、得点圏18打席ノーヒットが続いていた5番・ウィーラーが、待望のセンター前タイムリー!(E3-0H)

6回2死2,1塁の前の打席ではしょんぼりするシーンがあった。
捉えたと思った当たりが平凡な三ゴに終わり、思わずその場にガックリしゃがみこんでしまったウィーラー。

それだけに、この1本は本当に胸躍ったのだろう。
勢い良く1塁をまわりすぎるハッスル走塁で、漫画のように尻持ちすってんころりん。
その姿を見たベンチのペゲーロの笑いも止まらない珍光景もあった。

でも、この人に「真の元気の良さ」が戻ってきたのは朗報。
きっと週末3連戦ではブイブイ言わせてくれるはずだ。

また、この1点は9回に登板し1点を失いながらも今季2個目のセーブを記録した松井をも救う1点になった。

2安打を浴びて1失点は喫したものの、どうにかセーブを記録できたのは、、、

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