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【試合感想文】 5/13楽天4-7西武:勘づいてる鋭い楽天ファンいるでしょう。じつは今季の楽天は・・・

鮮やかだった2回の2点先制シーン

中盤の大量失点が響いて馬なりに敗れた印象だが、勝機はあった。

まずは2回の2点先制シーンは鮮やか。

相手先発・髙橋光成がコントロールを乱し、先頭四球、暴投、死球の独り相撲。「もらったチャンス」相次いだこの場面、2死満塁から1番・山﨑剛が1,2塁間を破るストレート撃ちの先制打を弾き返した。

山﨑剛といえば前回対戦4/29○E8-2Lでは敵軍エースの浮いた失投フォークを仕留めて左越えタイムリーツーベースにしていた。これでvs髙橋光で2試合連続タイムリーである。

なおも2死満塁、2番・渡邉佳も素晴らしい。

前日は松本航に13球投げさせての四球。今シーズン楽天打者が最も投手に球数を投げさせて出塁した記録を作ったお孫さんが、この場面でも容易には三振に倒れない個性を発揮し、コントロールに苦しんでいた西武の13番からボール球を引き出し、フルカウント7球勝負で押し出し四球をもぎ取った。

続く3回4回も先頭打者が出塁し、髙橋光にプレッシャーを与える攻撃ができた。できればどちらかで追加点が欲しかったところ。

4回2死3塁、山﨑剛の左中間深部を襲う飛球は惜しかった!

レフト鈴木の好守に阻止されるかっこうになったが、山﨑剛は4打席目にも逆らわない打撃でヒットを弾き返しており、今日はタイミングが合っていた。今季の対戦成績も7打数3安打、1二塁打、1三振となり、次回再戦時も優位に立てるかもしれない。

藤平尚真の試金石

残念なのは中盤4回5回の計6失点。とくに5回1死後にサード伊藤裕の悪送球エラーで始まった3失点だ。

1死1塁でヒットエンドランを仕掛けられ、ショート山﨑剛は2塁ベースカバーへ。その逆を呉念庭に狙われ、高めに外したボールを大根斬り打法で応戦され、広く空いた三遊間を破られての1死3,1塁。不運なかたちでピンチを広げて、3番・外崎修汰の中犠飛はやむなしだとしても、その後の5番・マキノンの2点スリーベースがほんと余計でした。

こういうところで粘ることができるか?が藤平が今後さらに一皮むけていくための試金石だと感じる。また、マキノンに打たれてE2-6Lと4点ビハインドになり、なおも2死3塁で6番・愛斗を迎えたところ、藤平95球で交代させた楽天ベンチの意図も不明。

ここは責任投球回を全うさせ、ローテの柱への成長を促すため藤平続投で良かったでしょう。4点差もつけられてしまっては、逆転はなかなか困難。なのにナイトデー2連投の安樂智大を火消しに向かわせた意味が僕には理解できなかった。

明暗分かれた不振の主軸組

光明は浅村栄斗が2試合連続マルチヒット。今週は毎日Hのランプが灯り20打数8安打の打率.400に。直近10試合をみても打率.275、OPS.856、3本塁打と明らかな復調ムードだ。

いっぽう、島内宏明は5タコ。直近10試合打率.108、OPS.289なのだ。

2打席目と3打席目に目撃された空振りが全くらしくなかった。中途半端で気が抜けたスイングというか・・・ 元々は選球眼が良くバットコントロールも素晴らしい彼が、こんな空振りをするなんて・・・というシーンだった。

もしこのままであれば、来週は彼をスタメンに乗せるか否か、もっと言えば1軍に置くべきか否かを真剣に議論しなければならない。ファームには1軍目指して汗を流している選手たちがいるわけです。

この試合、スタメンマスクは太田光。6回表の打席で代打・安田悠馬が送られ、安田は裏の守備でそのままマスクをかぶった。その安田も8回に代打フランコを送られ、裏の守備から炭谷銀仁朗がマスクをかぶり、捕手3人を使い切るゲームになった。

楽天が捕手3人を使ったのは4/6●E1-2Lに続く今季2度目。

前回はスタメンマスクが安田。1点を追う7回2死2,1塁で左腕・佐藤隼の対決に安田に代わって右の代打・炭谷が送られ、そのコールを聞いた敵軍が右の森脇亮介を出してきたため、炭谷は打席に立たないままお役御免。代打の代打で渡邉佳が起用され、その後に太田がマスクをかぶるというゲームだった。

試合展開

楽天=1番・山﨑剛(遊)、2番・渡邉佳(二)、3番・伊藤裕(三)、4番・浅村(指)、5番・岡島(中)、6番・島内(右)、7番・鈴木大(一)、8番・太田(捕)、9番・西川(左)、先発・藤平(右投)

西武=1番・長谷川(中)、2番・呉念庭(三)、3番・外崎(二)、4番・中村(指)、5番・マキノン(一)、6番・愛斗(右)、7番・鈴木(左)、8番・古賀(捕)、9番・児玉(遊)、先発・髙橋光(右投)

両軍のスタメン

無意味に肩を作る楽天ブルペン陣

やっぱり、楽天のブルペン運用がおかしいよ!という事実が発覚した。

今季はベルーナドームでプロ野球を多く取材しているスポーツライターの氏原英明さんが、楽天のブルペンは初回から肩を作っている、ということは前々から仰っていたので知っていた。

この日は実況を担当した鈴木光裕アナも最初から肩を作っている発言を中継内で2度も発言していた。

中継カメラも4回マキノンの打席時に楽天のブルペンで酒居と宋家豪が準備している様子を射抜いていた。にもかかわらず翌5回にマキノンに痛打を浴びて降板した藤平の尻ぬぐいで出てきた二番手は前述したとおり安樂だった。

結局4回に肩を作っていた酒居と宋家豪はその後も登板なく出番なし。しかしブルペンで投げていたのだから、影の2連投だ。

そういえば・・・この春、僕がベルーナドームで現地観戦した3/22オープン戦でも、内星龍が準備していたのに、その内は結局出てこず、違う投手がマウンドに上がっていた。あのときは開幕前だし、いろいろ調整もあるだろうし、と思っていたのだが・・・

楽天のブルペンは、他球団と比べて必要以上に肩を作る場面が多すぎる疑惑が、日に日に僕の中で高まっている。

他にもこの日の藤平はカーブは良かったけど、スライダー、フォークが機能せず、そんななか今季ここまで被打率.179だった自慢の真っ直ぐを、鈴木、マキノンに立て続けにスリーベースされたという話もしたいのだけど、本稿最後のイシューは鷲の山本由伸世代の話ではない。

藤平尚真 投球診断表

勘づいてる鋭い読者さんもいるでしょう。じつは・・・

今回最後に言いたいのは、楽天外野陣のことなのだ。

イーグルスを愛するみなさんも、うすうす勘づいていたと思います。

じつは今季の楽天が・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2023』でどうぞ。

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。月10回以上を所収。ただいま新規読者さん募集中!

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