榎本葵戦力外、柿澤貴裕放出で改めて痛感した、左打者育成のカギを握る左投手成績の重要性

痛感させられた左打者育成の難しさ

こんにちは。信州上田在住、故郷の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドにみえる、楽天推しの野球ブロガー、@eagleshibakawaです。

今年の秋、楽天は総勢20名の選手を構想外にしました。
(保留者名簿を外れたミコライオ投手、トレードで巨人入りした柿澤貴裕選手を含む。育成契約に切り替わった者、再契約した者は含まず)

そのなか、ぼくが最も再確認させられたのは、左打者の育成です。

少し前まで外野プロスペクトだった榎本葵選手は戦力外に。
ヤクルトに拾われる形になりました。
昨年1軍でリンダリンダ♪を聞かせてくれた北川倫太郎選手は来年から育成契約へ。
同じく今年ファームで力をつけ、再び支配下登録に戻った柿澤貴裕選手は、巨人へトレードに出されました。
左打ちの若鷲にとって、今秋は受難の秋になりました。

すでに11月19日付のブログ、「ヤクルト入団の榎本葵。なぜ将来を嘱望された24歳は楽天から戦力外を受けたのか。退団を決定づけた数字とは?!」に書いたとおりですが、左打者の育成って、やっぱり、左投手との対戦がネックになり、課題になってくるんですよね。
(ちなみに、この記事は、楽天ファンはもとより、ヤクルトファンからも大変な反響をいただきました)

こちらの表をご覧ください。

今年、パリーグで規定打席に到達した打者の打撃成績を、対戦投手の左右別に分けたのが、下記表になります。

◎2016年 パリーグ 規定打席到達打者 左右投手別 打撃成績

OPS、ISOベースでは右打者>左打者

打率は左打者が右打者より0.13良いです。
これは左打者のほうが1塁ベースに近いことが最大理由でしょうね。
しかし、OPSベースでは逆の結果になりました。
右打者が左打者の値を.031上回ったのです。

背景には、純粋な長打力を示すISOがあります。
左打者.102に対し、右打者.181と、かなりの大差なんです。
なぜ左打者のISOがこんなに低いのか?と言えば、vs左投手時のISOが.070と極端に低いからなんです。
打率も、左vs右、左vs左、右vs右、右vs左、4つある組み合わせのなかで最も低いのが、左打者vs左投手なんですよね。

左打者育成時に最大課題になるサウスポーとの対戦

つまり、左打者が打撃成績を作るのに、最大のネック、永遠の課題になってくるのが、サウスポーとの対戦と言えます。
これがあるから、右打者の育成以上に、左打者の育成って、本当は難しいんだなあ。
楽天は1軍戦力に左打者が多いので、あまり意識しなかったけど、実は想像以上に難しい作業なんだなあ。
ぼくは、このことを今回再確認しました。

楽天2軍の左打者育成状況を確認する

ということで、本題に入ります。
今、楽天2軍では、左打者の育成は、いったいどのような状況なのか?

このことを確認してみたいと思います。
そのため、2軍左打者のvs左投手打撃成績を出してみました。

当該の左打者が、左投手打席をどのくらい与えられているのか?
その多寡で球団の育成熱が判断できると思います。

例えば、サウスポーとの対戦を数多く与えられている左打者は、対戦投手の左右を苦にしないレギュラー級の左打者に育成したいという球団の意欲を感じます。
少ない場合は、球団は相手の左右で使い分けるプラトーン起用の一コマだったり、代打などの補助戦力として想定していると言えます。

あくまでも目安にすぎません。
しかし、ざっくり、そういうことが見えてくると思います。

というわけで、2軍左打者のvs左投手打撃成績を出してみました

下記表にまとめました。
ぜひご覧ください。

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