【試合感想文】 5/17ソフトバンク10-1楽天:どうする一久。楽天ベンチを悩ます頭の痛い3つの諸問題
コラレスも真っ青のバニュエロス来日初登板
終盤8回の一挙6失点は、今シーズン楽天が喫した1イニングの最大失点になった。
両軍先発のロースコア粘りの投手戦が6回まで繰り広げられたが、7回以降は無意味な試合展開に。
3時間27分は開幕31戦中9位と、もっと他にもロングゲームはあったが、何のために見ているのか気分が萎えるという点においては、今季最も長いと体感したゲームになってしまった。
それにしても、バニュエロスの来日初登板が0.2回6失点とは・・・
2017年の歴史的大失速の引き金を引いた「コラレス・ショック」のコラレスでさえ3回5失点だった。
降板後に本人も「もっと信用して、従っていければ良かった」と悔やんでいたけど、あれだけマスクをかぶる太田光とのサインに首を振ることになれば、息が合わなくなるのも当然だ。
外国人あるあるだが、やっぱりクイックが苦手らしい。
無死1塁で1塁は代走・周東佑京、栗原陵矢とのフルカウント対決のシーン。結果的には速球がはずれて四球になったものの、周東は走ってくることは誰が見ても明らかなのに、クイックをせずに足を上げて投げていた。
犠牲者・西口直人
打たれてもいいけど、失点してもいいけど、せめてイニング完了して欲しかった。
若鷹軍団には8回モイネロ、9回オスナという無双の勝ちパターンが控えている。2点ビハインドが3点、4点と点差が広がったところで、このゲームは9割5分負けが確定したようなもの。
それなのに、わずかアウト2個をとるのに30球も費やし、2死満塁から今宮健太にダメ押しの2点タイムリーを浴びて、さらなる救援陣(西口直人)を注ぎ込むことになってしまった。
僕らが「西口はまたダメか・・・」と意気消沈のため息をつく必要は全くなかったわけ。WBC後遺症でいくら本調子ではないとはいえ、2死2,1塁で3番・近藤健介のところで火消しに向かわざるをえないとは、今の西口にはちょっと荷が重かったと言えそうだ。
来日初登板6失点からの成功モデル
この結果を受けてマニュエロスがどう変わるのか?変わらないのか?
じつは楽天の歴代外国人投手で来日初登板6失点を喫しながらも仙台で5年間プレーし、現在は裏方にまわり、今年のキャンプでチームメイトと久々に再会して旧交を温めた例もある。2013年のVに貢献したダレル・ラズナーだ。
ラズナーは来日1年目の2009年4/5日本ハム戦(札幌ドーム)で来日初登板・初先発を任されたが、4回途中8安打6失点KOだった。4点の援護点をもらった4回、先頭・糸井嘉男のバントヒットを起点に崩れて、長短6連打を浴びるなど一挙6失点を喫した。
そんな悪夢の始まりだったが、NPBに順応しようとする本人の姿勢と指揮官に恵まれたのだろう。今ではブセニッツと並んで楽天の歴代外国人投手で最も成功した例だと思う。
正隋優弥問題
先発・荘司康誠がゲームを作ったのにプロ初勝利に恵まれなかったのも残念だったが、この試合、それと同じくらい残念だったのは、初回2死走者なし、3番・近藤の左飛失だ。ライン際に打ち上げたイージーフライだった。
前日1軍初登録され、この日7番・レフトで移籍後初出場、広島時代から数えると2年ぶりの1軍出場になった元大阪桐蔭。難なく落下点に入ったと思われたものの、目測を誤ったのかなんなのか、グラブに当てるまさかの落球エラーに。近藤に楽々2塁を奪われてしまった。
このエラーは失点にはむすびつかなかったが、石井一久監督ら楽天ベンチにダメージを残すプレーになったと思う。
というのは、noteに開幕前にも書いたが、この人、2月の1軍練習試合で左翼25イニング守りながら、適時失策を含む3つのエラーをしていた。落球、ファンブル、悪送球。わずか25イニングながらも、ひととおり記録していた。
打撃もふるわずだったが、この守備ミスも響いて、オープン戦には出場できなかった。
その後も3/29の2軍戦でレフトを守り、シングルヒット処理時に後逸エラー。そして本戦の落球エラーなのだ。
わずか3ヵ月間で外野で5失策。
しかも、外野3ポジションの中で最も守備負担の少ないレフトで、なのだ。
これではバットでよっぽど貢献するとかじゃないと、スタメンで使いにくくなってしまう。
だから、あの左飛は普通に捕って欲しかったし、捕ってくれて全然OKだったし、捕ってくれよーと願った打球だったのに、まさかまさかの落球になってしまった・・・
せっかく2軍で打撃で結果を残して1軍切符をつかんで2年ぶりの1軍出場になったのに、もちろん緊張していたのかもしれないけど、イージーフライだ。自らの首を自ら締めてどうする正隋。
この後・・・(続く)
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