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【戦評】絶不調の岸孝之がみせた真骨頂の8回2失点~6月23日○楽天3-2日本ハム

今季初の新人2名スタメン同時起用

3-2のスコアが表すように、平石新体制の3勝目は「ロースコアのタフな1点差」を制しての勝利になった。

イーグルス先発は、3連勝中の岸。
交流戦後の先発ローテ再編で中8日の猶予をもらってのマウンドだ。

ここまで防御率はパリーグ1位の1.91を叩き出し、QS率81.8%、HQS率54.5%をマーク。
今シーズンの岸は、ほぼ毎試合、引き締まったゲームメイクを披露する「充実の33歳」を送っている。

この「2点は取られない」という際立つ安定感が、38歳の指揮官に「ある決断」をさせ、背中を力強く後押しした。

その決断とは『今季初の新人2名スタメン同時起用』である。

この試合、「7番・岩見(左)、8番・山崎(二)」を使い、山崎はプロ初の先発出場を飾っている。

新人2名と嶋が並ぶ下位打線は「アウト量産機」と化す恐れがあり、チームの得点力も大きく下がるリスクがあった。
その危険性を最小限にとどめる存在が、2点は取られない岸の存在だったと思うのだ。

平石新体制に移行し、お通夜だった打線は生気を取り戻しつつある。

旧体制では2.95に終わった1試合平均得点は、新体制下では活発さ溢れる攻撃で7.33得点を挙げ、3戦連続の二ケタ安打&3戦連続の7得点以上で「世紀の逆転劇」の幕が上がろうとしている。

しかし、5位とのゲーム差は依然変わらずの9.5。
1つ前を行くロッテの背中は全く見えず、四面楚歌の最下位荒野を独走する状態に変わりはない。

こういう状況だと、好むと好まざるとに関わらず、来季以降を見据える必要が生じる。
伸びしろのある若手に1軍の出場機会を与えて経験を積ませ、育成しながらペナントレースを戦う難しい舵取りが求められるのだ。

その意味で、本戦では新人2人の場数を確保しながら、「エースの仕事」と「4番の仕事」で接戦をひろうことに成功したのだ。
二兎を追う者はなんとやらと言われかねないなか、みごとに難作業をクリアする勝利になった。

接戦下、新人2名を同時起用し、終盤の好機には代走2人を同時に送るなど独自色もみせた平石監督代行。

1点差の終盤9回、旧体制なら岸続投の可能性が高かったところ、ハーマンに任せた匙加減も絶妙だった。

これでチーム成績は6位、67試合24勝42敗1分の勝率.364、借金を18に減らした。
ゲーム差は1位・西武と14.5、2位・日本ハムと13.5、3位・ソフトバンクと11.5、4位・オリックスと10.5、5位・ロッテと9.5になった。

両軍のスタメン

日本ハム=1番・杉谷(中)、2番・大田(右)、3番・近藤(左)、4番・中田(一)、5番・レアード(三)、6番・アルシア(指)、7番・田中賢(二)、8番・石井一(遊)、9番・清水(捕)、先発・高梨(右投)

楽天=1番・田中(中)、2番・茂木(遊)、3番・島内(右)、4番・今江(三)、5番・銀次(一)、6番・アマダー(指)、7番・岩見(左)、8番・山崎(二)、9番・嶋(捕手)、先発・岸(右投)

本調子ではない中でみせた「エースの仕事」

岸の今季成績は12試合93回を投げて7勝1敗、被打率.199、WHIP0.83になった。

「岸」x「日本ハム戦」といえば、相性の良さで知られている。
ファイターズ相手に2016年8/9以降負けがなく、自身5連勝中。
昨年9/28の3回から21イニング連続無失点という安定感を誇っていた。

しかし、相手は好相性の相手とはいえ、侮れなかった。

最近の日本ハムは調子がよく、、、

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