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【戦評】古川侑利、駆け引き・引き出し駆使した「光る投球術」~6月19日○楽天7-1DeNA

約2年ぶりの先発全員日本人

9回、ハーマンが最後の打者・山下を3球三振にねじ伏せ、3時間04分の戦いにピリオドを打ったのが、夜21時ちょいすぎ。
ちょうど日本代表の香川がPKでゴールネットを揺らすその直前のできごとだった。

絶妙なゲーム運びになった交流戦の最終戦。
イーグルスは投打かみ合い、スコア7-1で快勝!
平石新体制の2連勝を飾る上々の船出になっている。

38歳の若き指揮官に代わったことで、沈鬱したムードは一変。
楽天ナインの萎えかけた闘志にも勢いよくバアッと火が灯ったかのような2試合になった。

2戦連続の二ケタ安打も、2戦連続の6得点以上も、今シーズン初。
このことが、人事刷新の効果を如実に示している。

梨田旧体制で-80までに膨らんだ得失点差も、この2戦で一気に14減らすことができた。

それにこの試合、2016年6月9日ヤクルト戦以来、約2年ぶりとなる「純国産オーダー」になった。

ペゲーロとウィーラーは、ともに怪我で2軍調整中。
日曜日の走塁時ふくらはぎを痛めたディクソンは、この日、スタジアムにすら姿を現さなかった。
復帰後の6戦で3発量産しているアマダーもベンチスタート。

そのなかでの二ケタ12安打7得点は、外国人不在でもこういう戦い方ができる!と、楽天ナインに大きな自信を与える勝利になったと思う。

両軍のスタメン

楽天=1番・田中(中)、2番・茂木(遊)、3番・島内(右)、4番・今江(三)、5番・銀次(一)、6番・藤田(二)、7番・聖澤(左)、8番・嶋(捕)、9番・古川(右投)

DeNA=1番・神里(右)、2番・桑原(中)、3番・佐野(一)、4番・宮崎(三)、5番・山下(二)、6番・戸柱(捕)、7番・関根(左)、8番・バリオス(右投)、9番・柴田(遊)

さながら「内村賢介+銀次」の活躍劇

勇躍したのは1番・田中だった。

まるで田中のために用意した絶好のショーケースという内容で、持ち味のスピードを活かした自身初の4安打2盗塁、2得点1打点の活躍になった。

ヒット4本中、内野安打が3本を占めた点も驚きだ。
まるで内村賢介のデビュー時を連想させるかのような相手の内野守備網、相手バッテリーに重圧をかける出塁が光った。

初回先頭打者打席は、打たされゴロだった。
遊撃前方の詰まったゴロだったが、俊足飛ばして遊安に変換してみごとに出塁。

その後、すかさず二盗を決めると2番・茂木の進塁打で三進。
内野前進守備の中、3番・島内の二ゴで一目散に本塁突入。

二塁手・山下のバックホームとの競争を制し、本塁をそのまま駆け抜けての先制のホームイン。
スライディングが不要なほど完全に制した生還劇になった。

3回は1死後、セカンド左を襲うこれも詰まらされたゴロだった。
しかし、飛んだコースにも恵まれ、まわりこんで処理して1塁へ投げた二塁手・山下の悪送球を誘う。
1ヒット1エラーで一気に2塁に進むと、2番・茂木の進塁打で三進、3番・島内の左中間二塁打で2点目のホームを踏んだ。

その後、4番・今江もタイムリーで続き、この回2得点。(E3-0DB)
楽天が序盤3回までに先制3点を挙げる理想の展開を手中にした。

この回の得点は、ひときわ重要だった。

というのは、、、

※この後、色々書きましたが、なかでもガッツリ書いたのは古川投手の投球についてです。

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