自閉症スペクトラム(ASD)のこだわり、その根底にある性質とは?

薬剤師でJACK認定キッズコーチングアドバイザーのやまっきーです。

今回は、ASDのこだわりの原因を、キッズコーチングの視点から、その子の気質をもとに解説します。

ASDの子、またはそうでなくても、「なんでこの子はこんなに嫌がるのか」ということを経験をした人も多いと思います。その原因は何なのか、それが分からずにモヤモヤとした子育てをしている人も多いと思います。

この記事を最後まで読んで頂ければ、そんなお子さんのこだわり、嫌がりの原因のひとつが分かり、お子さんのことを理解する一歩になると思います。
ぜひ最後までお付き合いください。

そのこだわりは、回避性と固執性という気質が原因だった!

キッズコーチングでは、気質というその子ごとに生まれ持った特性があり、それがその子のキャラクターを作っていると考えています。
そのキャラクターは5つ、エンジェルタイプ、アクティブタイプ、テキストタイプ、デリケートタイプ、ネガティブタイプがあります。
その中でもネガティブタイプのお子さんは、回避性、固執性という性質を持っています。

僕の息子もネガティブタイプです。
ネガティブタイプと言ってもいつもマイナス思考ということではなく、頑固だけど粘り強い努力家タイプ、となっています。

ネガティブタイプの回避性は、新しいことに不安を感じる、経験のないこと・気にいらないことは避ける、環境の変化を嫌がるという性質です。

また、こだわりの強い固執性もあり、頑固な面も持ち合わせています。

発達障害・発達特性の子は、発達やできることに凸凹があるために生きずらさを感じていますが、気質の特性にも凸凹があると僕は考えます。
ASDでネガティブタイプの子の場合、この回避性と固執性が強く出ていると考えます。

僕の息子は、小さい頃は、食べたことないもの、行ったことない所、やったことないことを、本当に嫌がっていました。

食事はふりかけご飯と唐揚げ、買い物はいつも近所のスーパー、DVDは自分のお気に入りの電車のものをヘビロテ、という日常でした。

いろんな事に興味はあるのですが、なにせ不安なので、安心できない事には手を出さないという感じでした。
不安からは逃げたいという思いがあるため、安心できる物事に執着し、こだわってしまうのです。

安心できれば、いろんな事ができるようになる!

ですが、幼稚園や小学校に行くようになってから、急にできる事、食べられる物が増えたように感じます。

給食はみんなと一緒に食べるので、そこでは安心感があり、いろいろな物が食べられるようになっていきました。
家で食事の準備のお手伝いもするようになり、そこで自分が手伝った料理なんかは、おいしいと言ってたくさん食べたりしていました。
また、旅行先で楽しい思いができると、その場所で初めて食べられた、という物もありました。

やったことのない事も、手順書を見せたり完成形を画像や動画で見せたりすると、それを目指して集中して取り組むこともできます。

絵を描くことが苦手な息子ですが、プラモデルやパズルは得意です。
絵は、想像しながら描いていくので、目指すビジョンが見えにくく苦手なのかもしれません。
ですが、プラモデルやパズルは、完成形が提示されていて、その過程も示されていたりするので取り組みやすく、安心して、集中できると思います。
日本地図パズルは、どの形が何県でどこになるかを、あっという間に覚えてしまいました。
そして、何度も繰り返して楽しんでいます。

段々と安心感の範囲は広がっていきます

急にたくさんの事をできるようにはなりません。
特に発達に特性のある子は、いろんなことに凸凹があります。
不安感の凸凹を少しずつ安心感で埋めていけば、自分からチャレンジできるようになっていきます。
焦らず、今の状態を認めてあげることが大切です。

ASDの子のこだわりやパニックは、不安だからです。
安心があれば、それは小さくなっていきます。

まずは、そのこだわりや執着が、不安から逃げたい回避性からきているものだと知ってあげましょう。
そうすれば、「なんでこの子はこんなに嫌がるのか」と不安にならず、一緒に不安を解消するアイデアが湧いてくると思います。
不安はその子それぞれにあります。
それを理解してあげることが、第一歩だと思います。

うちの子も今では、初めての食べ物も自分からチャレンジするようになりました。
刺激が強くてダメな時もありますが、それでも、自分からチャレンジできるようになったんだと、嬉しく思います。

ぜひ皆さんも、お子さんの不安に寄り添ってあげてください。


では、また。



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