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【イベント開催レポート】 Engineering Mix Session vol.4 ~スペーステックエンジニアが語る 宇宙ビジネスの市場×事業×組織~

こんにちは、E3編集部です。先日開催した「Engineering Mix Session vol4 ~スペーステックエンジニアが語る 宇宙ビジネスの市場×事業×組織~」のイベントレポートをお届けいたします!

開催概要

日時:4/26(月) 20:00~22:00
場所:ZOOM
内容:「宇宙ビジネスって事業モデルとしてどうなの?」「技術的な裏側ってどうなっているの?」そんな疑問を問いかけながら、宇宙スタートアップのリアルをスペーステックエンジニアにお聞きし、理解を深めていきます。

登壇企業紹介

▼株式会社 Synspective(地上システム部 General Manager 鈴木豊 氏)

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<事業内容>
・SAR人工衛星の設計・開発・運用
・人工衛星データの加工・販売及びアプリケーションの製造・販売

▼スカイゲートテクノロジズ株式会社(代表取締役 CEO 栗津昂規 氏)

[Public][2021-04][E3] Skygate Technologies 宇宙の時代に

<事業内容>
・人工衛星と地球間の通信をより高速に行うクラウド地上局プラットフォーム「Skygate」の提供

パネルディスカッション

※内容は一部抜粋となっております。

編集部:本日はどうぞよろしくお願いします。前半の企業説明パートを通じて、宇宙領域の壮大さを非常に感じました。一方で、ビジネスとしての成長性についてはどうお考えでしょうか?

株式会社 Synspective 鈴木氏:
弊社代表の新井は、「ビジネスとして成長するという確信を持つことができたから、会社を起こす決断をした」と言っています。宇宙というと人工衛星のプロジェクトなど政府機関主導の印象が強く、「ロマン先行で、ビジネスに結びつきづらい」という印象を持たれたり、「そもそも何に役立つの?」「衛星のデータを使って何ができるの?」といった疑問を持たれたりしますが、衛星データはすでに実利用が進んでいて、より多くのフィールド、社会へ貢献していくことが弊社のミッションです。

スカイゲートテクノロジズ株式会社 粟津氏:
宇宙ビジネスって結構変わった言い方だなと思っています。陸ビジネスや海ビジネスと言わないのと同じで、特定のドメインを付けて「〜ビジネス」というのはどうなのかなと。例えば、Synspectiveさんの事業はセンサーを買って、それをデータで解析して、ソリューションとして提供するという捉え方をすれば、それが宇宙なのか陸上なのかという観点はそんなに重要ではないとも言える。

弊社も同様に、例えば、IoTデバイスのためのアクセスポイントを提供していると捉えれば、ビジネスモデルとしてもマーケットとしても蓋然性があると考えています。一方で新しい領域だからこそ、できることやベストプラクティスがたくさんある分、それを追求していく面白さと同時に挑戦に伴うリスクがあると考えていますね。インターネットの初期もそうだったと思うので、未来はとてもあると思います。

宇宙は遠くて、意外と身近な世界

編集部:ありがとうございます。次に、実際の技術的な部分では「あまり変わったことはしていない」という話しがあったと思いますが、そこについて詳しくお話しいただけますか?

スカイゲートテクノロジズ株式会社 粟津氏:
何かをクラウドにつなぎこむためのインフラなので、考え方としてはIoTゲートウェイ的なものに似ていますね。よって、利用するスタックというのは、ソフトエンジニアが開発しやすいものにおのずと選択肢が絞られてきて、Node.jsとかPythonとかGoとかそういう割と一般的な言語になりつつあります。

※IoTゲートウェイ
→IoTにおいて、端末とインターネットを介した遠隔のサーバがデータのやりとりをする際に中継する役割を担う、ルータのような機能を備えた機器のこと

株式会社 Synspective 鈴木氏:
人工衛星もセンサーだと捉えると、IoTと同じような仕組みになると考えています。センサーが取得したデータを集めて、解析して、可視化して、提供するものです。技術的にはクラウドベースで、機械学習などを使って解析をして、データベースも普通にRDBだったり、NoSQLを使ったりと、一般的なシステムと同じような構成になります。

未知の領域だからこそのやりがい

編集部:次に、宇宙という未知の領域で、手探りで進むところも多いかと思いますが、その中で感じるやりがいについて教えてください。

株式会社 Synspective 鈴木氏:
まだ誰もやったことがないことをやるので、ベストプラクティスがそもそもない。だからこそどのチームもトライアンドエラーを繰り返しながら、自分たちで次の手を考えて進んでいくのが楽しいところだなと思います。

スカイゲートテクノロジズ株式会社 粟津氏:
検索したら答えが出てくる類(たぐい)ではない課題が結構出てくるんですよ。たとえば、「衛星 接続の仕方」とかって調べてもさすがに答えは出てこない。何が起きているかわからないものをどう解決するかというのは、エンジニアとしてやりがいだと思いますね。

「もしかしてこれまで誰もやってないのかな」とか、「これに使えるオープンソースのコードはないな」という時に、ここは自分たちで頑張って、将来的にはオープンソース化していく形で領域の進展にコミットしたい、と思える瞬間というのは、結構おもしろいのではないかと思います。

編集部:ありがとうございました。最後に、本日の感想やこういう人と働きたいなどがあればお聞きしたいです!

株式会社 Synspective 鈴木氏:
本日はありがとうございました。改めて、自分たちの会社のことを話すことで整理できましたし、粟津さんともなかなか普段できないお話が出来たので、すごく楽しかったです。どんどん自分のスキルを伸ばしていきたいとか、自発的に動いていきたいという方と一緒に働きたいと思っています。

英語はコミュニケーションとして必要にはなるのですが、思いやりの方が大事だと私も常に学んでいるので、今は英語はあまり話せないという方でもぜひ来ていただければと思います。気軽にご連絡ください!

スカイゲートテクノロジズ株式会社 粟津氏:
今日はみなさんラフな雰囲気だったので、リラックスしながら参加することができました。

やはり、Synspectiveさんのようなすごいプレイヤーがどんどん登場して、これから成長していくフェーズになっていくのは本当に間違いないと思いますし、それを支えるインフラがあってこそこういった世界が大きく開けていくと思うので、ぜひこの宇宙という言葉に限らず、未知のパイオニアに対して、自分たちの技術でどう解決していくのかというのを一緒に考えてくれる人が一人でも多く来てくれたら嬉しいと思っています。気軽にご連絡ください!

▼採用情報ページ

編集部:ありがとうございました。参加者の皆様にとっても、本イベントが何かのきっかけになりましたら幸いです。改めて、本日は誠にありがとうございました。

参加者の声

・宇宙事業というスケールの大きな話とそのリアルな話を聞けたので面白かったです!
・こういう先端分野でもウェブやクラウドの技術が活用されていることに改めて気づかされました
・人工衛星からの受信データを身近なクラウドサービスのGCPやAWSを使って、社会の課題解決、ビジネス化に向けて取り組んでおられるところに感銘を受けました。
・登壇されたどちらの会社も、事業内容はIoTの文脈にのる、という発言が印象的でした

他にもたくさんの感想をいただきました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

さいごに

最新の情報は、E3公式Twitterで発信してまいります。


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