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朝井リョウ『武道館』『ままならないから私とあなた』
この記事は、日本俳句教育研究会のJUGEMブログ(2018.01.20 Saturday)に掲載された内容を転載しています。by 事務局長・八塚秀美
参照元:http://info.e-nhkk.net/
年甲斐もなく最近夢中になっている作家が朝井リョウさん。デビュー作『桐島、部活やめるってよ』からひきつけられっぱなしで、彼の作品は、どんなジャンルでも驚きが用意されていて面白く、しかも、朝井リョウ色はちゃんと根底に流れているので、毎回うならされます。話の筋云々以上に、話の紡ぎ方に魅力を感じる作家です。
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『武道館』
アイドルという矛盾を抱えた存在を描き出していく中で、世の中に存在し続ける悪意や、いつでも加害者になり得る無自覚な大衆を浮き彫りにしていきます。やはり、単純なアイドル小説ではなかった!また、人が幸せになることとは、そして、人が選びとりたいものとは…が問われる小説でもありました。救いある読後感が、読者の背中をも押してくれます。
『ままならないから私とあなた』
再読。これは、初読の時に、その才能にノックアウトされた作品でしたが、やはり面白い!同時収録の「レンタル世界」も設定だけでない驚きに満ちた展開の作品。両作品共に、「ままならない」世の中で生きている私たちであるという真実が、作者ならではの切り口で描き出されます。では、そんな世の中を私たちはどう生きていくのか…。軽快な書きぶりでありながら、重厚な純文学を読んだ読後感。やはり朝井リョウはスゴイ!
(ただのファンレターのようになってしまいました@笑)