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綾野剛『牙を抜かれた男達が化粧をする時代』
この記事は、日本俳句教育研究会のJUGEMブログ(2021.09.04 Saturday)に掲載された内容を転載しています。by 事務局長・八塚秀美
参照元:http://info.e-nhkk.net/
綾野剛さんが、月刊誌『+act.』での隔月連載していた、12年分のポエムと写真のアートページが書籍となりました。
ポエムといっても、一口では語れない、そのとき時々の綾野さんの心象が、ある時は詩のように、ある時は警句のように綴られていくのですが、それらが、自身で撮影した写真に絶妙に取り合わされ、デザインされ、一回一回が個別の完成したアートとして仕上がっています。
もともと、綾野剛さんの語りを常に文学のようだな……と感じるファンの一人だったのですが、書籍の言葉も写真も想像以上の圧巻の芸術性で震えました! 裸の己をさらけ出す美しさです!
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今回の書籍化に合わせて新たに収録されているのが、70回の連載を現在の目で自ら振り返り、過去の自分と向き合った「証言(解読)」です。この証言も、綾野剛さんならではの世界観で綴られ、随所に詩が感じられます。「こじらせて」いた自身の12年間の変遷はもちろん、証言自体が「自戒」であり、また「声明」であり……、全編に、あらゆる命に対する敬意と愛が満ちあふれています。「牙を獲り戻し」て確かに立っている現在の綾野さんの紡ぎ出す声に触れられる一冊です。