夏井いつき『子規365日』
朝日新書『子規365日』が、11年ぶりに新しく文庫になりました。朝日新聞紙面で一年間連載されたコラムが元になっていますので、正岡子規の俳句を一日一句完結で、解説と共に味わうことができ、どのページからでも読み始められるのが特徴です。研究者の視点から解説するのではなく、俳人の目線で選ばれているので、有名な子規の句はもちろん、生活者であった子規の姿の見えてくる句がたくさん紹介されています。病気と闘う子規が、苦しみの中にも作句し、書き続けられたのは、彼の精神の明るさ故であったのだ、と