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僕の自然

僕が去年一年で撮った自然の写真


・雪柳と大切な友達の照れ臭そうな笑顔
・一面の菜の花畑と午後4時の滲む斜光
・庭で切り取ってきた山吹のばらの散りゆく花弁
・川沿いの道をてくてく横切るどこか尊大なカルガモ


・水面に乱反射する太陽に寡黙な釣り人
・河原でギターを弾く「ふり」をする楽しげなカップル
・台風が去った直後の曇天と一服する友達
・瀬戸内の光あふれる海と釣り上げられた魚


・山すべて秋色に染める広大な橅の深い森
・昼下がりの陽が優しく差し込む上りの窓ですれ違った下り
・少し過ぎた檸檬色の銀杏と隙間に見え隠れする高い空
・風に吹かれ揺れる透き通った夕焼けオレンジの毛先


・ポケットに手を突っ込んで肩をすくめる後ろ姿
・アイボリーの煙突とその小窓に揺らめく水縹になった灯油
・薄暮に翳むけやきが描く大空の血管
・寒空とマフラーから覗く火照った頬

けして大したドラマがあったわけでは無いし、写真技術とか、芸術性とか、社会的な価値はほとんどないけれど、至る所にとびきり素敵な自然が、想いが、溢れていた。できないことだらけで悶々としたけれど、こうして振り返ると大切な思い出だらけ。自然は「自ずから然る」。良いも悪いも何もなく、それは僕らと常に共にあるもの。遠くになかなか行けなくても、僕の自然は日々にある。いつでもすぐそこに。

2020年3月 (加筆修正2023年11月)

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