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【第22回】(最終総括)ARCSモデルを実装した連載

 学習意欲を高める授業づくりのために「ARCSモデル」をテーマにした全23回の往復書簡型連載は本回をもって終了となりますが、いかがでしたでしょうか。

 梅澤先生とのやり取りを振り返りますと、この連載そのものが「ARRCSモデル」を実装した学習の場だったように思います。つまり、「学生」を「梅澤先生たち」に置き換えた以下の目標を先生たちと共に達成することができたのではないだろうかということです。

Attention(注意)…梅澤先生たちの注意をひきつける
Relevance(関連性)…梅澤先生たちにとって意義深い学びにする
Confidence(自信)…梅澤先生たちが成功できるよう助ける
Satisfaction(満足感)…梅澤先生たちが学び続けたいと思えるようにする

 もとより看護師になるという目標が明確な学生たちに対して、学習意欲を高めるアプローチが必要なのかと疑問を持ちながら読んでいただいた先生もおられるかもしれません。しかし、この連載を通じて、学習意欲を高める工夫をした授業づくりが学生の学びそのものに変化を与え、より効果的な学習が実現されていくことにつながることをご理解いただけたのではないでしょうか。
 注意をひきつけ、意義深い学びを提供し、成功できるように助け、学び続けたいと思えるようにする。たった45文字のことを実現するために、約5万字を要してしまいました。教えるということ、学ぶということの奥深さが現れているのかもしれません。

 梅澤先生が最後の振り返りの中で、あらためて目標と評価について書いてくださいました。教育(授業や教育課程)を通じて育てたい学生像、その学生を育てるための効果的な教育法、そして学生たちが教育を通じてそうなってくれたかどうかを測る評価法というように、目標・方法・評価の三本柱は教育を考えるための最重要の視点であり、相互を関連付けながら改善していくことが大切です。ARCSモデルが、方法の工夫を考えるヒントとなり、育てたい学生を本当に育てられるようになるきっかけになれば幸いです。そして、ARCSモデルに限らず、日々進歩し続ける教育や学習に関する様々な知見をこれからも学び続け、そして実践し続けていただきたいと願っています。

 最後になりますが、本連載にご協力いただきました梅澤先生、横田先生、酒井先生、青葉先生、板倉先生、誠にありがとうございました。また最後までお付き合いくださいました読者の皆様も、ありがとうございました。

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