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れすゼミ4時間目_FLARO(フラーロとは?)

れすゼミ4時間目です。
前回の復習からスタートします!
日次決算とは「毎日、数値と向き合い、改善を爆速させること」重要なことは毎日数字と向き合うこと、です。
皆さん、毎日数字と向き合えていますか?

前回3時間目の内容は、「売上と現金?」でした。

売上をしっかり分解して、利益を得るポイントを見極めるのが重要という話をしました。
お客さんをどうやって増やすのか、どんな注文をしてもらって客単価を上げるのかが大切な考え方です。
また、飲食店の売上だけではなく、場所貸しなどを通じてシェア売上を検討したり、デリバリーをつかって売上をつくることもできるという内容でした。
3時間目の内容はnoteやYouTubeで確認してみてください!

それでは、4時間目のれすゼミ「FLARO」についてです。
今まで何度かでていた言葉ですが、今回「FLARO」の理論について講師の安部さんに教えてもらいましょう!
ぜひ、れすゼミ4時間目の動画や資料も一緒に合わせてご覧ください。

FLARO(フラーロ)とは?

レストラン経営に関わるコストのカテゴリーをそれぞれ頭文字で並べたものです。
F食材費(Food cost)L人件費(Lavor cost)A広告費(Advertising espenses)R家賃(Rent)Oその他経費(Other  expenses)です。

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よく店長さんは、FやLなどを管理しているケースが多いですが、上の図で書かれているようにFやLが30%じゃないといけない理由まで把握していますでしょうか?
なぜそうなのかを理解できていないと、目標に対するコミットも薄れますし、何より店舗運営の面白さを実感することが難しいと思います。
仮にこのFとLが目標達成できていても、全体の利益が出ていなければモチベーションも下がってしまいます。
店舗をひとつの会社経営として考えるのであれば、他のコストも理解する必要があります。

例えば家賃はすでに決まっているコストですね。
一方で食材費や人件費は工夫すればコストを落とすことができます。
ただし今度はFLの割合だけ見ていてもダメです。
FLが30%達成できていても、そもそもの売上が少なくAROを足して赤字だったら元も子もありません。

FLAROでできることは3つあります!

まず一つ目、「お客さんを何名呼べばいいのか?」

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皆さんのお店で、目標利益率10%の場合、お客さんを何名くらい呼べばいいのかイメージできますか?
先ほど、「家賃から考えましょう」という話をしました。
家賃比率15%(→都内の飲食店は15%で考えないと厳しい)におさえる、と設定します(ちなみに、地方の場合は家賃比率5%とかの物件もあります)。
家賃が15%で目標売上1,000万円の場合、家賃に150万円かかります。
逆に言えば、家賃が150万円かかれば、必然的に売上は1,000万円の目標となります。
ということは家賃から1日あたり呼ばなければならない人数・組数を想定することが可能です。
例えば客単価が既に5,000円とわかっているのであれば、お客さんは一カ月で2,000人呼ばなければなりません。
営業日数で割ると、毎日66人呼ばなければなりません。
1組平均4名であれば、16組呼ばなければならないのがわかります。
家賃がわかれば、1日に呼ばなければならない人数・組数が見えてきます。
最初にA・Oのコストをそれぞれ5%、10%に設定し、最後にF・Lを検討していきます。
F・Lを先にどのくらい使うのか決めた上で考えていくのか、残された予算で考えていくのか、考え方次第で店舗運営のやり方や目標利益に差が出てきます。
売上、FLAROについて「今を知る」ことから「やるべきことは何か」という本質的な課題について考えていくことが重要です。

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二つ目は、「お客さんを何名呼ばないと赤字になるのか?
ここでは、損益分岐点売上高を把握していることがとても重要です。
さらに、損益分岐点客数が何人なのかを知ることで、日々の目標集客人数の把握を知ることも可能です。

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損益分岐点となる売上高を知るには、固定費を限界利益率で割ると出てくる方程式がありますが、これをやるには固定費・変動費・限界利益率を把握していなければなりませんので、正確に出すのはなかなか難しいです。

ただ、どのくらいで黒字になるのか、お客さんを何名くらい呼ぶのか、知っておいた方がいいですよね。

実は、ざっくりと簡単に出す方程式があります。

(R 家賃 + L 人件費)×2=黒字になる売上高

居酒屋の場合だとだいたいこの数式で出ます。(限界利益率が50%くらいを想定してます)

ぜひ皆さん実際の店舗損益と比較してみてください。
必ず数字を出してみることが大切です。
これだったら容易に計算できるのではないかと思います。

さらに、この式で出した売上高を客単価で割ると、黒字になるための客数が出ます。
そしてこの客数を平均組数(人組み何名)で割ると組数を出すことができます。

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店舗運営をする上で、何組のお客さんを呼べば黒字になるのかがわかると、店前でお客さんを何名くらい呼べば良いのか指示が出しやすくなります。

では実際にこの数式を使って計算してみましょう。

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実際に売上1,000万円を目指すとします。
変動費が50%、固定費が420万円としたら、いくら売上があれば黒字になるでしょうか?
計算としては、固定費÷限界利益率なので、420万円÷50%=840万円です。
つまりこの店舗の損益分岐点売上高は840万円。
客単価5,000円だとしたら客数は1カ月で1,400人必要になります。
これと先ほどの(R+L)×2=黒字になる売上高を計算してみて、比較してみてください。

三つ目は、「いくらで集客戦略を作れるか?」

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目標利益率を10%にする場合、お客さんを何人くらい呼べばいいのか?
FLAROで考えた時に、Advertise(広告費)を5%で考えると、50万円しか使えません。
この金額で目標客数2,000人を呼ばなければならないわけです。
店長さんにはこの50万円を使う権限を与えないとかわいそうですね。
または、本部で半分を使うから現場で残り半分を使いましょう、というような使い方を考えていくことが重要になります。

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世の中にはさまざまな広告媒体が存在するようになりました。
Paid・Earnd・Owned などそれぞれ種類があり、こういったメディアを使って集客を考えていきましょう。
広告による集客施策は次回以降にご紹介します。

まとめ!

FLAROで想像できること:現在地を知り、未来を想像できることが大事!

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現在地を知りたい時は、日次決算を使いましょう。
着地できる未来を想像しながら戦略を練る時は、FLAROを使って考えてみましょう。
日次決算をしっかりできる体制を考えながら、黒字になる戦略を立てていくことが重要です。

4時間目は、黒字を確実に達成できるよう戦略を立ててほしいということ。
そしてF・L・A・R・O、この5つが飲食店の主要コストであり、売上の変動に応じて変化するコストと、売上の変動に関係のないコストがありました。
この特徴を生かしてどのコストから戦略を組み立てるのかをぜひ理解してほしいです。

<おまけ>
なぜFLAROと呼ぶようにしたのか?
エスペラント語で「嗅覚」という意味らしいです。
このFLAROで飲食店経営の課題がどこで何を改善するのか、勘所を押さえる嗅覚を磨いていきましょう!

次回はFLAROのF「F!原価」について学んでいきます!お楽しみに!

■4時間目 配信URL(YouTube)

■4時間目 資料(Speaker Deck)



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