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Entô 経験したことない感覚

東京から米子まで飛行機、さらに電車とバスで2時間、島根県七類港からフェリーで3時間かけてやっと到着した隠岐諸島海士町のEntô。
価格帯も少しお高めだけどずっと行きたかったところ。

移動時間が長い分海眺めながら頭の中空っぽにできて、建物もブランディングも奥深くて、本当に素敵な旅だったなあ。。

海士町のコンセプト「ないものはない」という言葉通り、島は観光するには何不自由ないけど、情報も溢れすぎてなくシンプルで、ゆったり楽しめました。

本当は余すことなく記録したいけど、ネタバレすると面白くないので建築視点でポイント絞って備忘録的に。。

基本情報
施主:海士町
設計:マンウトフジアーキテクツ
施工:前田建設、鴻池組JV
サイン、展示デザイン、ネーミング:日本デザインセンター三澤デザイン研究室

NEST棟入り口

CLT感満載のエントランスホール。
床天井のコンクリート目地も斜めに角度振っててCLTの斜め格子と合っててすてき。
ちなみにCLTは鳥取県産木材を仕上げに使って、島の外で組み立てて海士町で一気に組み立て。
島でしかもコロナ禍の施工で工夫が色々。
色々と勉強になることが多い。。

①木目を見せた立体的な誘導サイン

足元を床色と合わせたグレーのプレートにして目立ちにくくして、木柱が独立して立ってるイメージ。 階段を立体で示してて、客室への誘導が分かりやすい! 

②一枚板から作られた机

1m四方程度の鉄板を切って曲げて机を製作。
ショットブラストで光沢感出過ぎてないのが空間に調和しててすてき。 

③存在感のあるRC階段

一段目長くとってゆったりアプローチ。
踏面蹴上げ面を階段土台から少しセットバックして配置するのと、手すり子はSt10角で軽やか。
ノンスリップ部分は溝堀り5ミリだけで素材感。
壁面のCLTは階段に合わせて切り欠き。 

ちなみに階段の脇はすごいワイドだけど、防火シートで区画してる模様。
シート端部はPS扉の並びにあって、面が合うように計画。

B1階ジオパーク


①白基調のシンプルな空間の中に、地球の誕生から海士町と隠岐諸島へ展開する壮大なスケールの展示にびっくり。。
ここでしか手に入らないパンフレットがめっちゃ濃密。宝発見した気分。
②反対のスペースは時期によって展示が変わるらしく、私が見た時は、町の人の取り組みとかお店の紹介とか。愛がこもってる!
ちなみに隠岐諸島は有人島4つで成り立ってるけど、他の島に博物館があるので、差別化するために教育施設(ジオパーク)と宿泊施設にしたらしい。

客室

よくメディアに出てくるスイートルームもいいけど、シングルルームも素敵。
客室は奥行き4.5mしかないので客室数は多く稼げないけど、代わりにワイドな窓で眺め良好◎
客室扉脇はCLTの断面感。
大きな窓から眺める景色に意識を向けるように、余計なパンフレットもテレビもなし。
と思いきや机上の引き出しから音声ガイドとか色んな仕掛けが出てきて情報満載。
島のガイドだけでなく、マウントフジ原田さんと日本デザインセンター三澤さんの対談も聞けます◯
今回知り合いがホテル側にいたため、お話を聞いてみると、「できるだけ情報はシンプルに」「設計企画に携わった人の声を残したい」という思いがあったそう。なんて素敵なんだー、、

おまけ(エントランス脇)

エントランス脇に絞ってベントキャップを目立たせにくくしたり、外廊下共通で木の床が水平に広がるイメージを持たせるために窓ガラスや手すりは外側に設置したり、細かい工夫が勉強になりました◯

スタッフや海士町の方

今回はマーケティングやブランディングの方にたまたまお話伺える機会があったので本当に感謝しかありません!ありがとうございます。
そしてフロントサービスの方々もEntôの企画を理解してプロ意識が高くて凄かった。。
企画とか建物に惹かれて、それに賛同する若いスタッフが全国各地から集まっているよう。
簡単な地方創生なんて一つもないと思うんですが、海士町もおそらくそうで、けどスタッフや島の人と話すとみんなこの場所を良くしたいという愛情を感じることが出来て、心があったかくなる旅でした。

これからもEntôはバージョンアップしそうなので、またその時に行きたいなあ。

おわり

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