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編集人の京都の朝をぶらぶら◉京都芸大移転で変わる源氏物語ゆかりの地

京都駅から近い崇仁に、昨年10月に移転し、ちょうど1年の京都市立芸術大学(以下、京都芸大)のことは前回お話ししました。

今回は崇仁から北へ。京都芸大の移転で影響のある河原町五条から鴨川沿いの南東のエリア、昔「五条楽園」と呼ばれた場所をぶらぶらしてきました。

まずここは、源氏物語ゆかりの地「六条院•春の町」と重なる場所でもあります。写真は、光源氏のモデルとされる源融みなもとのとおるの邸「六条河原院」の中にあった庭園の中ノ島「籬ノ島まがきのしま」が鴨川の氾濫で埋没し、森として一部遺った「籬ノ森まがきのもり」と伝えられる跡地です。

そんな源氏物語ゆかりの地は、昔「五条楽園」と呼ばれた、遊女とその客で賑わった花街でした。今は少しずつですが、このまちは、悲しくも複雑な歴史を受け入れつつ、建物の歴史的価値を後世に伝えるため前に進んでいます。最初の写真は、遊郭であった建物をリノベーションして宿泊やコワーキングスペースとして活用されている「umknown kyoto」。次の写真は、約築100年の木造建築「五条会館」という歌舞練場で、ここも有効活用が検討されているそうです。

さらに、写真は、任天堂発祥の地をホテルにリノベーションした「丸福樓まるふくろう」で、ここを経営する任天堂創業家の一人、山内万丈やまうちばんじょうさんの活動が注目されています。

山内さんは、まちのシンボルでもある高瀬川の護岸の損傷や漏水による木枯れ等の改修工事に多額の寄付を行ったり、川の清掃活動にも参加。

また、京都市により使用禁止命令が下され、売却•解体した元社会勢力の本部跡を、このまちの新たな文化芸術の拠点とするために活用。ここには、レディー•ガガが履いた靴をつくったデザイナーの串野真也さんがアトリエを構えているようです。

山内さんの思いは、京都市の広報誌「5TO9」に掲載されたインタビューでご覧いただけます。

というように、京都芸大が移転した崇仁から近いこのエリアには、カフェやビンテージの店も出店してきているので、若いアーティストの癒しや刺激にもなっているよう。
そんな、このまちの変化を、一度感じに出かけてみてはいかがでしょうか。

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