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猫型ロボット55號の日記◉8月「おくるひ」

新品のときと気持ちは変わらないけど、ボディの部品にそろそろガタがきている『猫型ロボット55號』(人間の年齢で55才)。そんな彼(前回判明!)が、前回につづき登場の『嫁型ロボット53號』と一緒に行った京都の夏の行事についてつぶやいています。子どもの頃から長く京都に住んでいる人にはわかる、毎年この行事に行くと感じるアップデートされないお話(人もロボットも)。京都ならではのローカルな独り言、聞いてあげてください。

おくるひ

五山送り火(ござんのおくりび)(京都五山送り火とも言う)は、毎年8月16日に京都府京都市左京区にある如意ヶ嶽(大文字山)などで行われるかがり火。宗教・歴史的な背景から「大文字の送り火」と呼ばれることがある。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)より)

「ここから見えたはずなんだけど」「見えないね」

嫁型ロボット53號と家の近くの鴨川べりまで、京の夏の伝統行事「五山送り火」を見に来たのだが、全く見えない。「あんなところにビルあったっけ?」とにかく昔の記憶を頼りに人ゴミを避けながら自転車を漕ぐ。「子供の頃はあの場所からみんなで観たおぼえがあるんだけど...」鴨川を少し北上し、ようやく「船形」が見えてきた。見えてきたがとにかく微妙な見え方。こっちに立てば船の底が見えない、そっちに立てば木々が邪魔で船の帆が見えない...そんな感じ。

見物客で賑わう中、たまたま近くにいた近所に住むおじさんが「こっちから左大文字見えたはずだよ」と連れて行ってくれたが、ビルの合間に「ああ。これは大の文字のこの...なんというか...この、二画目のこの、斜めの...この部分ですかね...」と言ったこれまた微妙な見え方。おじさんの言う感じだと昔は本当にしっかり見えたんだろうな。いくら京都の景観条例で建物の高さが制限されているとはいえ、マンションやホテルが重なり合うように建ち並ぶようになった近年、さすがに昔のように見えないか...。

そもそも「五山送り火」「五山」それぞれの標高ってどれくらいなんだろう?ざっくり調べたところ、右大文字の如意ヶ嶽が466m、左大文字の大文字山が231m、船形のある船山が315m、鳥居形の曼荼羅山が191m、妙法の妙、松ケ崎西山で135m、法がある松ケ崎東山で186m。もう「妙法」なんてちょっとした「丘」って感じ。

もうどこからでも見えるように、未来の送り火はホログラムで空中投影とかどうだろう。もしくは自宅で手軽に送り火が楽しめる「五山送り火ポータブルライト」とか。
まあ、それはちょっと冗談としても、毎年地元テレビ局が送り火をライブ中継している様子は、はるか昔、室町時代の人たちにとっては同じような感覚かもしれないな。とか思ったり思わなかったり。

仕事ばかりでお盆休みがほぼ無かったけど、なんとか最終日に「お盆」らしいことが出来た8月でした。

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