見出し画像

私の中での最強はずっとおじい

家族の物語というテーマのもとに、

noteを始めようと思ったきっかけでもある"おじい"の思い出を1つ

うちのおじいは一言で言えば、野生である

山口県萩市の出身で元一等航海士、リタイア後は植木屋をやっていた

現在、91歳

戸籍上の誕生日は2月28日

母親には、お前の誕生日は2月18日だと教えられていたらしい

大好きな車の運転は取り上げられたが、アクティブさは健在

家族、親戚で作ったグループLINEに毎日メッセージを送ってくれる、しかも写メ付き

どこが野生?

今のところ野生感はありませんね

では、ここで思い出話を

おじいは分譲の団地に住んでいる

私の実家からも車で10分程なので、しょっちゅう母に連れられて遊びに行っていた

あの日、私はまだ小学生の低学年くらいだったと思う

私の家におじいが来た

余談だが、

その頃、父も母も勤めに出ており

おばあが一緒に住んで私達の面倒を見ていてくれた

おじいとおばあは仲良しだ

2人顔を合わせれば怒鳴り合いばかりだったが、仲良しだ

別々に住んでるおじいとおばあ

おじいは毎朝、私達の家へ来ていた

私達の顔を見ることもそうだが、きっとおばあに会いに来てたんだと思う

あの日に話を戻す

朝、私と2個下の妹は学校へ行く用意をしながらテレビを見ていた

おじいは来た

毎朝来る

おじいは言った

"たぬきを拾ったんじゃ、じいちゃん家へ見に来るか?"

動物大好き姉妹はその話に飛びついた

哺乳類はかわいい

爬虫類も魚類も鳥類も全部かわいいが

特に哺乳類はかわいい

私の頭の中にはふわふわの子だぬきが走り回っていた

きっと妹の頭の中にも同じようなたぬきがいただろう

学校へ行く前から、早く帰りたい早くたぬきを抱っこしたい

そんな気持ちが溢れ出していたと思う

学校が終わり家に帰るとおじいがいた

そのまま私達姉妹はおじいの家へ

私の頭の中のたぬきは絶好調に走り回っている

団地の1階、おじいの家

玄関に入ったが、たぬきのお出迎えは無い

"じいちゃん、たぬきおらへんで"

私が言ったのか妹が言ったのか

すると、おじいは

"風呂場におるよ"

ん?風呂場?

暴れるから?汚れてるから?

汚れを気にするようなおじいではない

私達姉妹は玄関入ってすぐ左、風呂場を覗いた

たぬきがいた

でも違う!これじゃない!

目の前に確かにたぬきはいた

浴槽の蓋の上に転がっていた

血まみれのたぬき

"なんなん?これ"

"道路で死んどったから拾ったんじゃ"

おじいはお爺ちゃんらしい話し方をする

"どうするんこれ?"

とっくに私の頭の中のたぬきちゃんはどこかへ行ってしまっている

"皮を剥ぐんじゃ"

え?

"マフラーにする"

え?

そこからの記憶はとても曖昧だ

その後血まみれたぬきがマフラーにされたのかどうかは分からない

おじいの家には皮の切れ端や毛皮の塊何かがいっぱいあった

おじいの家に行けば皮のポシェットでも毛皮のぬいぐるみもどきでも何でも作らせてくれた

小学校の自由研究など余裕のよっちゃん

みんなの家には無いであろう材料が豊富にあったものね

うちのおじいはそんな人だ

まだまだアグレッシブおじいでいてもらいたい





#家族の物語

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?