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「これまで一番楽しかったこと」から気づいたキャリアの視点

先日、こんな話題に。
「これまで生きてきた中で一番楽しかった日って覚えてますか?」

私がふと浮かんだのは、高校生のときにボランティアで関わった音楽イベントの日。

「YOKOHAMA HIGHSCHOOL HOTWAVE FESTIVAL」というイベントで、最終選考に残ると横浜アリーナで演奏ができるという高校生バンドの大会でした。

なんと誰かがWikipediaに残してた。笑
過去、藍坊主やRADWIMPSを輩出した大会でもあります。

レポートにもなってました。懐かしすぎる…。

なぜ一番楽しかったのか?

何がそんなに楽しかったのかというと、これまで準備してきたことが形になったからなんだと思います。

イベントは1日限りのものではなく、この日に向けて準備をしてきて、色んな人と関わりながら、当日のイベントを成功させるという最大のミッションがありました。

若干記憶が薄い部分もありますが、関わることになったきっかけから当日のことまで思い出してみることにします。

新しい世界に踏み出したかった

きっかけは、自分がいる世界から飛び出したいと思ったことだと思います。
当日、私は私立の女子校に通っており、とても退屈なものだった。

やたら校則が厳しく、帰りにスカートを短くしていないか、学校指定の鞄以外を使っていないかチェックされたり、今思うと謎の縛りの中で生活をしていた。
そんな環境の中なので女子校独特のカルチャーがあり、これまで仲良くしていた子が急に話してくれなくなることも当たり前にあった。

なんというか、「群れる」ことで安心感を得られる環境は私には違うと感じた。
そんなときに私を救ってくれたのが音楽だった。

多分、高校生時代に一番聴いたアルバムはこれだな。


どこから始まったかあまり覚えてないけど、ライブハウスに通うようになり、新しい友達も増えた。
とあるバンドのスタッフもさせてもらっていて、世界が広がった。

多分どこかのライブハウスでチラシを見たのか、雑誌か何かの広告を見たのかあまり覚えていないけど、「高校生のための音楽イベントのボランティアスタッフ」の募集を見て応募。
特に親に相談することもなく、新しい場所に踏み出したいと思って申し込んだ。思えばこの頃から自分の意思で動くことができていた。

どうしたら集客できるか?を自分達で考える

当日のイベントまでの活動のひとつが集客。
今だとTwitterを使ってSNSでの集客がメインになるのだろうけど、当日は色んなライブハウスやお店にチラシやポスターを配りにいくということをやっていた。
これがめちゃくちゃ楽しかった。

ターゲットになりそうな方が来る場所を自分達で決めて、交渉も自分達でやる。
横浜で開催するイベントなので横浜を中心に、音楽好きがいそうな御茶ノ水や下北沢などに足を運んだ。
承諾してくれたときは嬉しかったし、一緒に活動したメンバーと手分けをしながら活動しチラシを全て配り終えたときは達成感だった。

実践を重ねて成功体験を繰り返す

スタッフの中にはいくつか役割があり、私は楽器のサポートをする「ステージ班」だった。
やることとしては、バンドの転換があるときに楽器を運んだり、アンプの設定をチェックして最高の演奏ができることをサポートする。

本番の横浜アリーナには勝ち抜いてきたバンドしか出演できないのですが、それまでいくつかの会場で予選会が行われていました。

楽器の運び方やケーブルの巻き方などの研修があり、予選会ではじめて実践します。
予選会といえど規模が違うだけでやることは本番と同じ。実際に仕事にしている大人の方と同じ仕事をして、そして無事に終わったことはこれまた達成感に満ち溢れたのでした。

仲間と一緒に創り上げる喜び

このような活動を繰り返し行うことにより、一緒に活動している中で仲良くなった方も増えて自然と団結力が増していった。
活動以外でも自然と関わることが多く、気付いたら埼玉から横浜まで通っていた。

「大きな目標に向かって、自分達で創り上げていく」という経験は当時の私の生活にはないもので、とても刺激的だった。

今でも「自ら新しい場所に踏み込んでみる」ということは大事にしているのですが、この頃の経験があったからこそ行動できているのかもしれないな、と改めて気づきました。

そして忘れもしない横浜アリーナでの本番。
大規模なステージを支える、これまでに見たことのない景色、イベントを通してのたくさんの方との出会い、これまで準備してきたことが実になり無事に成功した達成感など、自分の中での大きな経験になりました。

チームをまとめた2年目

最初に参加したのが高校2年生の時だったので、翌年もスタッフとして参加。
そして3年生の時は企画運営にも関わり、班のリーダーになりました。
30名ほどのメンバーを束ねることになり、初めてのマネジメントを経験する。

2年目は、企画運営として他のチームの方と連携しながら、イベントを成功させるためにより活動的に頑張りました。
1年目とは違って自分のことだけではなく、チームのみんなが活動しやすくなるにはどうなるか?を考えたり、リーダーとしてより責任感を意識するようになった。

そんな結果もあり、当日を迎えイベントをやり遂げる。
リーダーとは時に孤独で、期待に応えられていないのではと思うと怖かったし、自分のやり方でいいのかなとか不安を抱えたこともあった。
ただ、無事にイベントを終えた時にメンバーのみんなから感謝の言葉をもらい、サプライズで寄せ書きも準備してくれていて、号泣。
そして後日行った打ち上げでは、MVP的の1人に選んでもらうことができ、頑張ってきてよかったなと思えたのでした。

当時は気付かなかったキャリアの視点

振り返ると、これまで新しい環境に踏み出してきたからこそ今の私に繋がっているのだと実感します。

そしてゴールに向かって自分で考えながら進むことや、人のために頑張ることは自分のやりがいであるからこそ当時の記憶にも深く残っているのかもしれません。

このイベントの影響で、音響の仕事がしたいと思い、私は音楽の専門学校に通いました。
ただ、当時の選択は今思うと本来私がやりたいと思っていることではなかった。

音響の仕事は専門性のある仕事。自分には専門性の高いことを磨いていくアーティストタイプの仕事より、どうしたら目標を達成できるのか、だったり人と協働して創り上げる仕事の方が好きだということに気づく。

当時は目の前で見た仕事(=わかりやすい職種)のイメージしか持てず、自分がどういった仕事をしたいのか、わかっているようでわかっていなかった。
どういったことにやりがいを得て、それを活かせる仕事はどのようなものがあるのか?当時、そのような視点があればキャリアの幅が広がったかもしれない。

ただ、遠回りはしたけど今は自分らしいキャリアを積み上げられていると思っているし、過去は取り戻せないのでただただ進むのみ。
どうせなら、これまで楽しかったと思える出来事も超えられるような出来事を生み出していきたい!

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