見出し画像

(詩) 雪の帳

雪が降りしきる
わたしの目の前に
未来も過去も遮断するように
雪が降りしきる

風は一つもない
わたしの目の前は
ただ真っ白な壁が
立ち塞がっている

足を踏み出せる
筈なのに 一歩も出ない
もちろん前は見えない
恐る恐る後ろを振り返る

雪は降っていない
天には日も月も星も
地には山も川も海も
しかし誰一人いない廃墟の街

逝った、けれど消えない人へ
わたしの一歩を預けよう
雪の帳は自から開き
明るみの道へと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?