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散歩で繋ぐ、未来の健康

犬を飼っている高齢者は認知症のリスクが低い

東京都健康長寿医療センターは、2016年から2020年までのデータから都内の65歳以上の男女1万1194人対象にペット飼育と認知症の関連について調査した。
4年間での認知症発症率は5%で、犬を飼っている人と飼っていない人を比べたところ、飼っている人の認知症発症リスクは40%低いことが分かった。

ただ犬を飼えば認知症リスクが低減されるというような単純な話ではなく、それに付随する様々な環境が関係していることは明白で、当然散歩が重要だと考えられる。
犬の散歩は犬の大きさを問わず1日2回行われることが多い。
1回の散歩で要する時間と距離は種類でも変わってくるが、
・小型犬(時間:20~30分、距離:1~2km)
・中型犬(時間:30~60分、距離:2~4km)
・大型犬(時間:60分前後、距離:4km前後)
となるようだ。¹⁾

厚生労働省が令和5年に開催した第1回健康づくりのための身体活動基準・
指針の改訂に関する検討会²⁾の資料「身体活動・運動に関するこれまでの取組について」³⁾を見ると、強度を問わず、必要な運動量として65歳以上は毎日40分の運動を推奨している。

犬の散歩はフンの片付けで屈伸運動をしたり、リードを把持する際に握力や腕の筋肉のみならず、全身の筋肉も使うと想像できるため、小型犬でも1日2回の散歩で十分な運動量が確保できそうだ。
さらに別の視点で考えると、地域の他の飼い主とのコミュニティにも繋がりが持てる可能性があり、高齢者の地域における孤立の解消という面でも役立つかもしれない。

なお、今回の研究では猫の場合も検討されたが、飼育の有無による認知症発症リスクに差はなかったようだ。

参考:
1)みんなのブリーダー
2)健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会
3)資料2「身体活動・運動に関するこれまでの取組について」PDF

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