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老化細胞とAIと、100年時代のさらに先の未来

GMOインターネットグループと東京大学医科学研究所の中西真教授は、生成AIを活用して人間の老化細胞のシグナルを解き明かすことを目的とした「生成AIを活用した人間の老化細胞の特定と、臨床応用に関する共同研究」を開始した。
老化細胞は分裂を停止した細胞で、蓄積することで加齢性疾患につながると考えられており、老化細胞を調べ老化のメカニズムを解明することで健康寿命を延ばすことが期待されている。

中西研究室ですでにマウスで成功している「老化細胞の選択的除去」を人間に応用することを目指すため、中西研究室から提供された細胞のデータを解析するが、研究には膨大な量のデータ解析が必要だ。そこでGMOはデータサイエンティストやエンジニアの派遣と画像処理半導体(GPU)搭載の専用サーバーを提供し、AIを活用して解析の効率化を図るようだ。

ここ数年で一気に世間に浸透したAI技術。
一見するとデータがあれば後はAIが全て解決するように思えるが、データを抽出、分析、選別する地道な作業もまだまだ大事だ。GMOは10年ほど前からAI研究に取り組んでおり、今回初となる医療分野でもデータサイエンティストやエンジニアがその腕を振るうことだろう。

AI技術は今や高性能なPCでなくとも、個人でも扱える時代だ。
便利になればなるほど生活と密接に繋がり、そして医療とも切り離せない社会は必ず来る。
医療情報は個人情報の固まりだが、柔軟に活用することで100年時代をさらに延ばす未来がくるのかもしれない。(T.W.)

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