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未来を支えるJMIP認証

国際的に高い評価を得ている日本の医療サービスを外国人が安心・安全に享受できる体制の構築を目指しているが、言語の違いや、習慣、文化、宗教の違いが壁になっている。

14日、市立川崎病院が「外国人患者受入れ医療機関認証制度」(JMIP)の認証を得たと川崎市が発表した。市内医療機関では初めての認証となる。
JMIPは厚生労働省が平成23年度に実施した「外国人患者受入れ医療機関認証制度整備のための支援事業」を基盤に策定され、一般財団法人日本医療教育財団が認証機関となり、多言語による診療や異文化・宗教に配慮した対応など外国人患者にも適した医療機関であることを示す制度だ。

新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に減少した訪日外国人だが、近年、再び増加に転じていると同時に、在留外国人についても増加傾向にあり、今後は地方の観光地においても外国人患者が増えることが予想される。
日本各地の医療機関を受診する外国人患者が増加するのは当然であり、厚生労働省では「外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000173230_00003.html)を公開している。しかし、「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33994.html)によれば、マニュアルの認知度は31.8%にとどまっており、まだまだ先は長いと感じさせられる。

JMIPを取得しても運用するのは現場の人間だ。壁に掲げた理念が絵に描いた餅にならないよう願っている。

余談だが、市立川崎病院はドラマ「白い巨塔」(2003年版)のロケで使用されており、浪速大学医学部付属病院の屋上でのシーンでは、川崎の景色を眺めることができる。(T.W)

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