dy!two

会社員。万年ダイエッター。竹書房のSFが寝る前のお供。

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最近の記事

食欲の秋が通年の人(残り物には懺悔がある)【毎週ショートショートnote】

おお神よ! 私は告白します。 私はたしかに夕飯の残り物を明日のお弁当にまわして時短自炊弁当を作ろうと思いました。 唐揚げを1kgあげ、お弁当は元より数日分のおかずにもしようと思いました。 ただ、自分にこんな美味しく唐揚げを揚げる才能があったなんて思いもしなかったのです! ジューシーで、下味がしっかりついており、柔らかく、衣はカリッと香ばしくできるなんて思いもしませんでした。 揚げたてを1つつまみ食いしたが最後、私は気がついたら唐揚げを全て食べてしまっていました。 えぇ、

    • のちに彼女はこう語った(モンブラン失言)【毎週ショートショートnote】

      この世にはとにかく脳と頭が直結した人間がいる。 口に出す前に、脳みそ側でなにかしら検閲ををしなかったのか?と思うほど、私の先輩は不要な一言が多い。 例えば、キャラのキーホルダーにたいして、「それ可愛いですね、全身みどりがおすきなんですか?」 例えば、カフェラテを飲んでいる時に「コーヒー好き何ですか?僕も好きですよ、あ、ラテとかはほぼ牛乳飲んでる気しかしないので飲みませんけど」 例えば「このアイドルかわいくて、いいですよね!俺はこの歌唱力でアイドルする勇気はないけど」

      • 蒸篭列島(ひと夏の人間離れ)【毎週ショートショートnote】

        暑い、暑い、暑すぎる。 灼熱のコンクリートの上でつぶやく。 暑すぎるし、湿度も高い。 こんなに暑いのに、日傘やハンディフォンでしのげなんて馬鹿げている。 「冷やし中華、はじめました。 にんげん、やめます。」 暑すぎで幻覚を見たと思ったが、街中の中華料理店には確かに張り紙がはってあった。 冷やし中華ははじめていい、季節ものだから存分にやってくれたまえ。 だが人間はやめては行かんだろう。最後の超えてはいけない一線がある。 「あ、すみませんお客様ですか?」とふいに声をかけられ

        • プレイリストは本棚に反映される4

          【本当は♯私のコレクションで書こうかなと思ってた】 怖がりなのにホラー小説が好きなせいで、ミステリーも好きで、なんか不思議な感じのするお話が好きなので、こんなシリーズを集めている。 【手元にある中で1番すき】 このシリーズの『超常気象』が珠玉揃い。 収録されている短編がどれもこれも全てずっしり心に残る。いつまでも残る。 短編集で、しかもかなりの作品が収められていて、印象に残る作品しかないとは、ちょっと信じられない。図抜けてよいと感じた。わたしは。 異形コレクションは、各巻

        食欲の秋が通年の人(残り物には懺悔がある)【毎週ショートショートnote】

        • のちに彼女はこう語った(モンブラン失言)【毎週ショートショートnote】

        • 蒸篭列島(ひと夏の人間離れ)【毎週ショートショートnote】

        • プレイリストは本棚に反映される4

          いい湯かもしれない(一方通行風呂)【毎週ショートショートnote】

          今日はお風呂を運転して、餃子を食べに宇都宮まで行って見ようと思う。 お風呂を運転するには普通免許を取得した後、「浴槽運転技能第一種免許(通称:フロ免)」なるものを取得しなければならない。 普通免許を取るにも苦労した私は、お湯をこぼしてはならない、一方通行では肩まで浸からなくてはならない、湯気で周りの自動車を邪魔してはならないなど浴槽ならではのクセに大いに手こずり、つい先日やっとフロ免を取得した。 やっとの思いで本日初ドライブ。走り出してみたら、エンジンのおかげでお湯は常

          いい湯かもしれない(一方通行風呂)【毎週ショートショートnote】

          月曜日には立ち向かわない

          月曜日には立ち向かわない

          そんなこんなで(友情の総重量)【毎週ショートショートnote】

          「お願い!一緒にダイエットして!!」 土下座せんばかりの勢いで彼女は理不尽な願い事をしてきた。 曰く、もうすぐ結婚式があるのだが幸せ太りで体重が激増してしまった。着たいデザインのドレスももう入らない。違うデザインのドレスを着ることも考えているが、理由が情けなくて恥ずかしくて、どうしてもそちらを選ぶ気になれない。 でも1人では結局挫折する。あんたにダイエットなんて必要ないのは分かっているが、一緒に減量してはくれまいか?との事だった。 あまりにも悲痛な面持ちすぎて、つい「う

          そんなこんなで(友情の総重量)【毎週ショートショートnote】

          −196℃のメモリー(記憶冷凍)【毎週ショートショートnote】

          「青春のソルベ」と記載されたパッケージを手に私は悩んでいる。 今記憶を食べるのが巷で大ブームらしい。 そもそも記憶というのは時が経てば新鮮さを失い、段々朧げになっていく欠片を何度も反芻するものだが、フレッシュな記憶を摂取することで、アンチエイジングになるのだとか。 「幼少期のシャーベット」「初給料のアイス」「氷結誕生日」など他にも様々な製品がある。 ただ、新鮮なまま冷凍保存といったって、記憶をフリーザーにぶち込んでも、脳みそにドライアイスを入れた記憶もない。 自分の記

          −196℃のメモリー(記憶冷凍)【毎週ショートショートnote】

          そよ風のような(春ギター)【毎週ショートショートnote】

          プリマヴェーラは小さい女神様で、音楽が大好きです。 毎年毎年、メンデルスゾーンばかり聞かされていた女神様は自分でバンドを組むことにしました。 仲のいいゼフュロス、フローラ、メルクリウスがメンバーです。 もう1人、ヴィーナスに声をかけたのですが、彼女は春コレクションを買うのに忙しいからと断ってしまいました。 キューピッドは候補に上がっていたもののバンド内恋愛をけしかけそうなのでやめました。 桜の花びらとさくらんぼの茎で、プリマヴェーラは自分のギターを作りました。 仲間

          そよ風のような(春ギター)【毎週ショートショートnote】

          深煎り入学式【毎週ショートショートnote】

          浅煎り課程を修了し、僕は深煎り課程へ進むことにした。今日は深煎り入学式である。 ここでの課程を終えると、晴れて僕は深煎りコーヒーとして世にでる。 倍率200倍の難関を潜り抜けた超エリートスーパーエターナル深煎りコーヒーフォーエバーになるのだ。 仲間は 「おれは1日でも早くカフェで提供されるんだ!」 とか、 「浅煎りでも深煎りでも等しくコーヒー豆だよ、なんで院へ進んでまで深煎りについて学ぶの?」 と至極ごもっともな意見をたくさんくれた。 でも、僕のようなコーヒー豆は浅煎

          深煎り入学式【毎週ショートショートnote】

          命乞いする蜘蛛…の閑話休題【毎週ショートショートnote】

          「あんたさあ、なんであんなことしたのよ」 「なんのこと?」 「蜘蛛の糸のことよ!たらしたんでしょ?」 「ああ、あれね」 「しらばっくれちゃってさ!あんなのどうにもならないって分かってたはずよね?」 「だってさぁ、こっちは必死で命乞いまでしたのよ?それをなんかちょっといいことしましたーて感じで片付けられるなんて癪じゃない?」 「あんた、プライド高いから、助けてやったみたいなの1番嫌いだよね」 「そうそう、一思いに潰された方がマシよ!だから思い知らせてやったの!上が

          命乞いする蜘蛛…の閑話休題【毎週ショートショートnote】

          お返し断捨離【毎週ショートショートnote】

          金持ちというのは、まだ春一番が吹くか吹かないかっていうのに、もうお中元を考えるのか。 元々庶民の中でも、中の下くらいの中流家庭出身で、偶然遠縁の莫大な財産を継いでしまっただけの私は、執事が持ってきたリストをみて、心の底からため息がでた。 コーヒーやおそうめんやタオルだと箔がつかないというので、考え抜いた私は、1通の手紙を送ることにした。 「お世話になっている皆様に。感謝の気持ちを込めて私が断捨離で得た豊かな生活を、皆様にも送って頂きたいと思います。」 その後、金持ちの間

          お返し断捨離【毎週ショートショートnote】

          聖地巡礼とセーラームーンとそれから

          初めての〇〇について、というカテゴリは私はほぼ思い出せない。 例1 初めて読んだ本→絵本かな?え、小説で…? 例2 初めて買ったCD→いやほんとに思い出せない。例3 初めてのおつかい→あったかも分からない てな感じの私が初めてみた映画は自信を持って答えられる。 「劇場版 美少女戦士セーラームーンR」である。 ビデオが擦り切れるほど見た。映画館で見たかどうかは…多分連れていってもらったのだろう。 あらすじは下段に東映公式サイトより抜粋しました。 すごくよかった。 今で

          聖地巡礼とセーラームーンとそれから

          レトルト三角関係【毎週ショートショートnote】

          「レトルト三角関係」という画期的な商品が世に生まれ出た。 温めると湯気にのって自分のタイプの相手が現れ、疑似恋愛を楽しめる、という代物だ。 恋を忘れて久しい私は男性2人タイプを購入した。 説明書きは以下の通り。 これは男性2人入りの説明だが、女性2人入りのタイプもあるし、男女1人ずつのタイプもある。 現実では何かと問題になる三角関係でもレトルト三角関係ならば思い切り楽しめる。人気の理由がなんとなく分かった。 例え幽霊みたいな幻だとしても、イケメン2人にチヤホヤされたり

          レトルト三角関係【毎週ショートショートnote】

          【洞窟の奥はお子様ランチ】で【冒険小説風】♯毎週ショートショートnote

          「黄泉の国でご飯食べてくる。帰りは遅くなる」 勇者がそんな書き置きを残して宿屋から失踪した。 勇者、魔術師、僧侶、盗賊のパーティで、前衛がいなくなった。 もう滅多なことじゃHPが0にならないからって自ら三途の川行くか、とか、友達と飯食ってくるわみたいなノリで黄泉路へ行くなよ、とか言いたいことはいっぱいあった。 それでも大切なパーティの1人だ。黄泉の国とやらから勇者を連れ戻す冒険の旅が始まった。 幾多の困難を経て、三千世界の彼方にあった黄泉の国へ着いた。 僧侶は教義に反

          【洞窟の奥はお子様ランチ】で【冒険小説風】♯毎週ショートショートnote

          デジタルバレンタイン✖️SFチック【毎週ショートショートnote】

          「なあペッパー、お前料理できんの」 「ぜーんぜんわたしはロボットですので」 「えー電子データに変換して一瞬で買ったものが来るし、料理も材料を原子に分解して組み立てるだけだろ。楽になったもんだぜ。ほんとお前ロボットなの?」 「おいしい料理は火をかけて愛情をこめますそして最も心をこめた料理をつくる日がバレンタインの日ですこーんなこともペッパーは知っているのですよ」 「火、とかいうの教科書でしか聞いたことないわ、お前使ったことある?」 「ぜーんぜん私はロボットですから」

          デジタルバレンタイン✖️SFチック【毎週ショートショートnote】