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あと何度、こんな海が見れるかな

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興味のない話題からは遠ざかるに限る。というわけでTwitterを控えめにして海を見て来た。海は良い。
伊古部海岸の、あまり人のいないところへ。

空気階段のお二人がラジオをやりたがっているような場所では落ち着かない。
かたまりさんかもぐらさんか忘れたけど
俺をお前らの人生の脇役にするな!
と思うような、なんであいつらって、その場に居る自分が全部主役で、その場を全部自分たちの場所にしちゃうんだろうな
おばけキノコか。まあキノコでかくして海まで来てウロウロしてやがんだろアイツら。
サイッテーだな、この35歳肥満児。
そういうわけで、一人でボンヤリするために海に来た。ヒトは少ない。いないことは無い。

いやしかしアレだね。ラジオって何がいいって、やっぱり自分はどっち側で、あいつとコイツはこっちで、ソイツはそっち、と分けられるのがいいね。分けてどうするってんじゃないけど、線は引きたい。
そのうえで、自分じゃ絶対に能動的な聴取をしないミュージックとやらを耳に流し込まれるから、自分の好みや性格が、そのイケ好かない旋律と歌声で浮き彫りになる。
この年になって、あの頃ダッサくて汚くて嫌いだったサンボマスターが意外とグッとくるようになったり、たまにクレイジーケンバンドが流れたり(大好き)、ドレスコーズもラジオで知ったし、良いこともあって。
でも、あオレやっぱコイツら死ぬ程ダメだわ、と思う連中もあって。

あっつい夏の陽射しがギラギラと悪意を増して照り付けて来るのをやり過ごしながら、海へを続く急な坂道をボロくなってきたビルケンシュトックでペラコラ下る。
半分ぐらい砂に埋まったテトラポッドに腰かけて、そのままボケーーっと海を見る。
ドドドドー、っと潮風を巻き上げて波が押し寄せ砕けて押し寄せ砕けている。波打ち際でウェットスーツの女の人が二人でキャッキャしている。男前のサーファーのお兄さんがバッキバキの体をさらけ出して、坂道を登ってゆく。長い竿と糸を操って、釣りをしているオジサンもいる。
そして私は、何をするでもなく、途中のコンビニで買ってきたウィルキンソン炭酸を時々飲みながらボケタンとしていた。

海と空とサンロードの境目を、漁船が三艘、ドッドッドッドッと走ってゆく。
海鳴り、船のエンジン、時々吹くぬるい潮風。
汗がシャツにしみて、背中を垂れてゆくのがわかる。

いいだけ海を見たら、気が済んだのと暑いので引き返す。
バカみたいに晴れた空に向かって、バカ正直に伸びる坂道。
ウルトラマンに出て来たブルトンの回みたいに、このまま何処までも空の上まで登っていけそうな気分だ。このまま歩き続けるのはしんどいが、やがて終わる坂道の先に続いているのは、それよりしんどい毎日だ。
そんな坂道をバカ正直に登っているのは確かに俺だが、登らせてるのは誰だろう?
(粗忽長屋、好きだなお前)

家に帰ってもまだ昼前だったので、スパゲティを食って寝た。
夜、ちょっと合間に開いたら、Twitterのタイムラインが
ドラクエ
ドラクエきた!
ドラクエだ!
で埋め尽くされて、コイツを
世界に誇るゲームの音楽です
と来たもんだ。こちとらドラクエなんぞに居場所は無くて、ドラクエの方も俺みたいな奴はお呼びじゃなくて、紆余曲折の結果、不登校をこじらせたうえにオネット市民になった身としては、あの無邪気な中でボンヤリするような胆力も無く。
結果、原稿も良く進んだ。いいことづくめだ。

ちょっと油断すると、すぐ地面よりお空の方が近く感じる35年目の夏。

どのラジオで流れたどのバンドがお気に召さなかったかは、直接私に聞いてください
別に聞きたかないでしょうけど
そんなことまで書いてヒンシュク買うのも馬鹿らしいので…

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