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特別講義 壱: 「サーバが落ちる」を理解する〜なぜGoogleの障害は起きたのか!?〜

諸君、おつかれである。

先日、Googleの各種サービスが落ちたことを覚えているだろうか?ビジネスマンはGmailやGoogleドライブ利用不可に苦しみ、動画を楽しんでいた者たちは、突然の接続断に焦っただろう。中には回避策を考えた者たちもいた。Youtubeでは「なぜか」シークレットブラウザでは見えるという状態になっていた(このあたりについても触れていく)。情報が容易に伝達できる社会だからこそ、突発的な問題が起きても、それを共有することができる面白い世界である。

さて、Googleは45分程で復旧したが、そこでメデタシメデタシとして今まで行ってきたことに戻った者が多いだろう。しかし、ここで原因を究明するのが「データベース思考」を持つアナライザーの務めである。Googleが公開したレポートを見てみたものはいるだろうか?Googleは下記のようにインシデントレポートを公開している。https://status.cloud.google.com/incident/zall/20013

中身を見て理解できただろうか。「OAuth」「Quota」などわからない単語が目白押し、かつ背景も謎だろう。このことについて、ドラゴン老師のリクエストに答える形で特別版を書くことにした。身近な題材で「サーバが落ちる」という現象の理解を得られる諸君はラッキーだ。もちろんこのnoteは「DBスペシャリスト講座」である以上、ちゃんとDBの話も入ってくる。そもそもシステムの話は大体似通った考え方が違う領域にも登場するものなのだ。この視点も非常に重要である。

まずは「サーバが落ちる」と言われたときに一般的に何が起こっているのかということと、その対策について説明する。その上で先日Googleで起きた障害について簡単に解説しよう。まだ講座も序盤であり、諸君のシステムの理解は進んでいないということを前提に話をすすめる。

ではいこう。

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