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オーストラリア4 シンプルな欲求に気付いていく

そんなに長く旅人生を送っていて
何が一番面白いのと聞かれたら、「人との出会いと」答えるだろう。

当時「旅をしている」という感覚は持っていなかった。
振り返ると壮大な旅であったが、なんというか、日常というか、当たり前というか、そこにいることが普通というか…
「自分でそういった選択」をしたという意識も持っていない。
ただ流れるように、したいように…そんな感じだ。
なので、アリスが店に来なくならなくなり、私が切り盛りして、お客さんが来ない時は一人の時間を過ごすということにストレスを感じ始めていることも、「自分の意思で現状を変えよう」という感覚を持ち合わせていなかった。多分、不満と理由の分からないストレスだった。今までそうやって生きて来たのだ。
どうしたいのか、と自分に聞いてあげることもしなかった。そうやって対話する事もまだ知らない。
だから何かの違和感や何に対してどうしたいのか分からず、何か重いものが溜まる一方だった。
モヤモヤをただ抱える毎日になってきた。

そんなある日、店にアジア人の女の子が入ってきた。レジュメ(履歴書)を渡され目を通す。どうやら仕事を探しているワーホリ生のようだ。
日本人の名前だった。英語でしていた会話を切り替えた。
ダーウィンに来るワーホリ生は珍しい。大半はシドニー、メルボルン、ケアンズ、パースといった有名どころへ滞在する。
しばらく話をして、連絡先を聞き一緒に遊ぶ約束をした。

私はなんだかとてつもなく嬉しかった。
そうか、友達が欲しかった。遊びに行きたかった。会話がしたかった。
そんな欲求をたくさん抱えていたことに気づいた。彼女と遊ぶのが楽しみで仕方なかった。


すぐに彼女と会えていろんな話をした。
とっても楽しかった。現地に根付いて暮らしている人からは聞けない旅人ならではの話や情報は聞いていてとてもワクワクした。

マッサージをしていたり、タロットをやっていたりそんなことから彼女はバイロンベイが合うのではないかと教えてくれた。
ヒーリング、オーガニック、スピリチュアル、ヒッピー、自然派etc…そんな類いのことが好きな人たちが集まる東海岸に面する小さな街だそうだ。

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私は、直感的に「行ってみたい!」と思った。
行き方などの情報を聞いてワクワクした。
ああ、そこへ行ってみよう。


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