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②今の私をつくった男の言葉

常に酒に溺れてフワフワしていた少し年上の彼

次に好きになったのは大阪・堀江のダイニングBARでバイトした時に出会った5コ上のケンちゃん。ケンちゃんはそのお店の社員さんだった。ロン毛で、細マッチョで関西弁バリバリで、シャイで、仕事してる時以外はいつもお酒を飲んでいた。シラフの時は、あんまり話さないんだけど、お酒を飲むとびっくりするくらい饒舌だった。ケンちゃんとのデートはいつも飲み。飲み以外は候補に上がらなかった。

何回目かのデートで大阪・堀江のムートンっていうオシャレなお店に連れてってもらった。当時を象徴するような本当におしゃれなお店だった。店内はセンスのいい都会人で溢れかえっていた。店員さんも芸能人かと思うほどかっこいい人が多かった。田舎で育った私には余計そう見えたのだと思う。このお店でガルフストリームというお酒を教えてくれたのもケンちゃんだった。キレイなブルーのカクテルで、丸氷が使われていて、ライチの香りがしてほんの少し背伸びをしている自分を感じた。私は生まれて初めて飲んだそのカクテルに?ケンちゃんに心を奪われた。

そんなケンちゃんとは、仲良くしていたけど、彼の飲み過ぎと彼のなんていうのか未来への無気力についていけなくて別れることになった。いつものように私の家で話しをしていた。なぜかベットが部屋の真ん中に配置されていた20歳のころ私が住んでいたワンルームの部屋の中で別れ話になったとき

「お前は俺がいなくても生きていけんねん」

確かに、こう言われた。そうかもしれないけど、悲しかった。そうかもしれないけどそれは言わないで欲しかった。そうだけど、そうだけど、そんなこと言わないでよ。岡本真夜のALONEがループする。「きみは強いから大丈夫 そんなこと言われたら弱さ見せられない」ループの呪縛。強いんじゃないんだ。強くないと傷つくから。

今思い返すと、確かにケンちゃんの言う通り、ケンちゃんがいなくても生きてこれた笑けどやっぱり男性にはこの言葉はなるべくなら言われずに過ごしていきたいものである笑

今の私は、この男のこの言葉でつくられたのだと思う。


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