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唯一



あらすじ

3/4 
恵比寿で開催するイベントに向かうため新潟からバスに乗っていた。
俺には、当時遠距離恋愛で埼玉に住む彼女がいた。
彼女に会うために降りた関東の地も普段とは違う心情で足をつけた。
東京から恵比寿へ満員電車に揺られながら向かう。

その時の俺はこの日が現在(いま)の自分に影響を与えるなんて思いもしなかった。

これは、新潟に住む俺と神奈川に住む友人との出会いから現在に至るまでの話。


会場


恵比寿駅から徒歩6分、会場に着いた。
受付を済ましてドリンクチケットをもらう。
その足取りのままビールを頼んだ。

その後、会場の空気感に馴染めなかった俺は角の方に行きとりあえずタバコに火をつけた。

居場所がない時の、タバコは貴重。


現実


30分経った頃、Narita君が楽屋から出てきた。
いつもインスタで見ていた人が目の前にいる。
俺はすぐに声を掛けた。向こうも俺が来ることは知っていたので優しく迎え入れてくれた。

「乾杯しよーぜ、何飲む?」と言われ、ハイボールが好きだと伝えたら同じものを自分の分も頼んでご馳走してもらった。

少し経つと、CcnさんがNarita君の客演として呼ばれていたらしく合流した。
数ヶ月前に新潟でのイベントで会ったことを覚えてくれていて
大好きな二人と写真を撮ることもできた。

この二人は本当に偉大。


ステージ


二人は出番が近くなりステージへと向かった。
俺も最前列を取りたかったので、同じく前へ進む。

ライブが始まりNarita君を画面に収めていたが、iPhoneの容量が限界を迎えた。
曲の合間に片っ端から写真フォルダを整理したが
結局何本かの動画は途中で切れたり、一曲丸々撮れなかったものあった。


勇気


ライブが終わり、近くにいた男の子も一人で来ていたようで普段人見知りする俺も勇気を出して話しかけた。
彼に動画が撮れなかったから譲って欲しいとの旨を伝えた。
了承してくれた。

ステージから去り1階で彼とNarita君や他のアーティストと飲み直した。
その時に自己紹介をした。

彼の名は、凪杜。

同じくNarita君のファンらしく、男子のNarita君ファンが周りにいなかったこともあり意気投合した。

初対面とは思えないくらい人と話せた自分が今思うと信じられない。


解散


彼はその日、彼女の家に帰る必要があったためインスタを交換して別れを告げた。

俺はNarita君がドリンクチケットを譲ってくれたので追加でドリンクを頼んだ。

豆乳のお酒をおすすめされて飲んだ。とても美味しく沁みた。

イベントの終了時間が近づき、スタッフが解散を指示した。

俺はNarita君に救われた事と絶対にまたライブに足を運ぶことを告げ
会場を後に、新宿のバスターミナルに向かった。

無事にバスに乗った俺は、イヤホンをつけ
ライブで披露された新曲「嫉妬心」を聴いた。

当時、彼女からの愛を感じられずにいた俺はこの曲が刺さり、バスの中一人涙を流した。

せっかくなので好きなリリックを載せておきます。

裏切られてきました。
裏切られてきました。
いくら君が口にしても俺は信じられないんだよ
愛してるって次の日のLINE
好きな人ができたごめんなさい
それっきりあの子の連絡こない
履歴に残ってる言葉が全部
嘘くさい。
あの思い出も全部嘘みたいだね。
信じたかったのに。
嗚呼、smoking
増えた本数
嗚呼、drinking
高い度数
だから君は俺を裏切らないで
君が好きだって証拠を見して

Narita - 嫉妬心

後日、凪杜君から動画をいただいた。


現在


凪杜君とはあの日から、お互いの恋愛相談をして話を続けている。
最近では毎日連絡をとっていてくだらないことも話せる仲だ。

お互いが好きなNarita君は恋愛系の曲が多い。
似たような過去を持つから惹かれあったんだと思う。

俺が東京出張で前泊する時、予定を空けてくれて0時まで遊んだりもした。

すでに決まっている予定では 7/29 Narita君のライブを見に一緒に池袋で開催するイベントに行く。

俺の恋愛観や性格を共感してくれる友達は少ない。
だから俺は悩みを人に言いづらい。
だけど、彼には相談できる。
ここまでの友情関係を短期間で築き上げたのは本当にすごいと思っている。

新潟と神奈川。
距離は離れているのもあり、数少ない友人の中でも唯一の立ち位置にいると思う。

病みでいっぱいだった時に支えてくれたのも本当に助かった。

ありがとう。これからもよろしく。


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