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芥川龍之介 地獄変を読んで思ったこと


たしか、大学生のころに読んで衝撃だった。

それをひょうんなことから読み返してみた。

*内容に触れます。ストーリーをスポイルされたくない人はここでサヨナラ


当時は気にしていなかったが、この作品は、殿に使える家臣が語り部となって進んでいることに気づく。

良秀

いまでこそ「神絵師」なんて言葉が飛び交うが、良秀はこれにあたるのであろうか?ただ、話の内容から神ではない。「閻魔絵師」と呼ぼう。

絵を追い求めるあまり、人の道を踏み外し突き詰める。そういう行動ができる人は稀有な存在だが、人間としての生活はやはり送れないのであろう。仕事一筋イーロンマスク、と。

なぜそうまでして絵を書きたいのだろう?行動の底にある情熱のマグマのような部分が知りたくなった。絵に関してはエネルギッシュ。燃料。

娘と猿

助からないナウシカとテト。
最後にサルが燃え盛る牛車に飛び込むのは、もはやただの畜生ではなくなった感がある。娘さんなしに生きながらえる世の中に生き残ったとしたら、猿は何を思うのであろうか?

娘さんのある晩の艶めかしい描写。これが燃やされる原因になるのでしょうか。色恋沙汰?メラメラ燃え上がる情熱の炎が出火原因。

堀川の大殿様

堀川の大殿様のたいがいやべぇーやつ。何をどうしたら、親の前で娘を焼くかね?psychopath.

”長良の橋の橋柱に御寵愛の童を立てた事もございますし、”

つまり、安全祈願で、お気にを生贄にしたってことだよね。んー、時代背景的には抵抗ないのか?現代で考えると、万博の成功を祈願して、総理大臣が、目をかけてる若者をコンクリに沈め・・・。
炎上案件ですね。

まとめ

良秀の燃料
娘の出火原因
大殿様の炎上案件

以上の3つが相まって、地獄の業火が展開される。

読んでいて、情景がありありと浮かぶ作品に感嘆しました。そして、青空文庫という存在、ありがとう。

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