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夏目漱石『吾輩は猫である』を読みました

感想です。
※ネタバレかもしれません。







おもしろかった!途中から猫の吾輩も饒舌にしゃべるようになるし、迷亭先生もいつも嘘つらつらだし、人物が増えてしゃべりのパターンも増えて展開してって。でもほんとにこういう話を集まってはだらだらとしてたんやろなーと思えた。すごく楽しそう。結婚しても変わらない関係っていいですね。そして、苦沙弥先生の奥さんのファンになりました!笑 かわいくないですか!?ちゃんと自分の思ったことを素直に言うところ、頭に丸いはげが出来てるけど、そこまで気にしていなさそうなところ、物の置き場所に頓着しない性格で、寝るときに頭の上にもらった山の芋の箱を置いたまま寝ていたら、泥棒がさぞ大事なものに違いないと盗んでいったこととか。洗った髪を乾かすために、日向にむかって座って針仕事をしてたら、主人の顔の先にお尻を向けることになってる、とか。こういう何気ない一コマが好きすぎる。というか解像度高すぎる。漱石の身の回りの人がモデルのことが多いらしいのですが納得。3人の娘たちのてんやわんやもすごい解像度。顔を洗う上のおねえちゃんたちを真似して、バケツの雑巾を取って顔を拭いちゃう末っ子。自分だけ小さなお椀なのが嫌で、おねえちゃんのお椀と箸を強奪して食べようとして、上手く食べられなくてぐちゃぐちゃ、とか。あーこんなことあるんやろなって思った。っていうか、3人の子育てしててこの細君の余裕さ!すごすぎる。可愛いしすごい。もうめっちゃファンになりました。

……そうか、日常なのか!!小説を読むと全ては伏線なのだと思ってしまう私がいた。でも日常でそう綺麗に集約する出来事なんて起こらないし、事件の顛末全てを知るとも限らない。噂で聞いて結末まで知らないことも山ほどあるやろうし、前は興味があったことも少し経って興味を失って調べなくなったとか、情報を仕入れなくなったとか、伏線が回収されないのが日常なんやと思った。小説では吾輩が興味あるとこだけ、また知ったことだけ書いてあるから、猫の白君の詳しい話はないし、鼻の娘の婚姻はあっけなく決まってしまう? ストーリーのわかりやすい盛り上がりがあるわけじゃなく、日常を吾輩が日記のように記録してて、どこかしら一緒に楽しんでくれたらいいな、みたいな感じに思えた。鼻の娘の婚姻が盛り上がりかと思いきやそうではなかったし、迷亭ほかはいつまでも駄弁を弄してる笑 物語としてこう終わるんやろな、次こうなるんやろなっていう道筋が存在しない気がする。見えても、それは勘違いだったりする。吾輩、最初は猫にも興味持ってたけど、進むにつれ猫の話全くしなくなったような。読むの楽しかった!


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